2010年3月14日に発生した上位蜃気楼(2010年度観測第2号)

蜃気楼の始まり| |湖面のグレーの帯| |フーチング(橋脚支持台)の蜃気楼


板塀状になる湖岸(その1)| |板塀状になる湖岸(その2)| |遠方の蜃気楼(その1)

遠方の蜃気楼(その2)|  |Z字型(3像型の蜃気楼)になる橋梁



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■ 2010年3月14日(水)に発生した上位蜃気楼
  
   この日は午前から晴天に恵まれましたが、湖岸では肌寒く感じる一日でした。
   午前中から、定点観測所としているなぎさ公園おまつり広場に出かけました。珍しく琵琶湖
  大以北の遠方の山(伊吹山など)が肉眼で見えるほど視程のよい日でした。午後を過ぎて
  も上位蜃気楼発生の兆候も見られず、気温もあまり上がらないので観測を諦めようかとも思
  っていました。
   15時過ぎから(双眼鏡での観察で)琵琶湖大橋の東側の一部が若干太く(伸びて)見え出
  した為、引き続き観察を続けると、15時20分には蜃気楼といってもよい変化になりました。
  その後、琵琶湖大橋、東西の湖岸、遠方の山及びそれに続く水平線に隠れた陸地などが蜃
  気楼化しました。今回の特徴は、通常よりも遅い時間に発生し、日没後も変化し続けたことや
  琵琶湖大橋の後方の比良山系の裾野で水平線下に隠れた陸地が複雑に変化したことです。
  しかも、山の稜線の一連の変化は過去に見たことのない変化でした。
   今回は湖上の透明度がよかった為、多数の蜃気楼写真やビデオ撮影ができました。その
  なかから撮影した一部を紹介します。

 

 

■ 蜃気楼の始まり
10031415h37m_start.jpg (99728 バイト)
 この写真は、琵琶湖大橋のほぼ全景を撮影したものです。下段の写真は、上段の写真に該当する通常時の風景です。
 南湖の蜃気楼は、琵琶湖大橋から始まる場合がほとんどです。。上段の写真のように、常に東側の橋梁の太さが他の部位よりも太くなリ出すことから蜃気楼が起こります。この日は、発生時間帯が遅かったので、この程度の変化で終わるかとも思いましたが、その後活発な蜃気楼が東西の湖上で発生していきました。

2010年3月14日15時37分、大津市なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)

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■ 湖面のグレーの帯
10031416h30m_Komen-itabei.jpg (85502 バイト)
 この写真は、琵琶湖大橋の最高部周辺を撮影したものです。見ての通り、橋の下部にグレーの帯状の物体が写っており、部分的にバーコード状の縦の筋が見られます。これは、湖面が板塀状の蜃気楼となったものです。そのため、湖面が上方に伸びた分、湖上にある建物(写真左のヨットの上周辺)が下から押し上げられて潰れて見えています。

2010年3月14日16時30分、大津市なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)   

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■ フーチング(橋脚支持台)の蜃気楼
01031416h44m_footing.jpg (99231 バイト)
 この写真は、琵琶湖大橋最高部周辺を撮影したものです。下段の写真は、上段の写真に該当する通常時の風景です。
 下段の写真では、橋脚下部あるフーチング(橋脚支持台)が水面からぎりぎり見えている程度であるのに対し、上段の写真では、フーチングが上方に伸びていたり、上方倒立像を伴って見えます。また、橋の左(西)の下部に見える建造物(造船所)周辺が上方倒立している様子も分かります。注意してみると琵琶湖大橋後方に見えている比良山の裾野は、写真下段では赤矢印の部分で水平線下に隠れて見えていますが、写真上段では緑矢印のところまで山の裾野が蜃気楼となって、水平線下の陸地が浮かび上がって見えています。

2010年3月14日16時44分、大津市なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)

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■ 板塀状になる湖岸(その1)
10031416h59m_Moriyama-itabe.jpg (119810 バイト)
 この写真は、東岸の守山市木浜町周辺を撮影したものです。下段の写真は、上段の写真に該当する通常時の風景です。
 上段の写真は、上位蜃気楼の典型的な像である“板塀状態”です。上段の写真からは、湖岸の“何が”蜃気楼化しているのか想像すらできません。下段の写真と比較しても、原型からあまりにもかけ離れた像となっていることが分かります。上位蜃気楼を発見するコツは、遠方の景色を見て“板塀状態=物体の高さが水平一直線にそろって見える”部分を探すことです。双眼鏡などで細部を確認するとよく分かります。

2009年3月14日16時59分、大津市なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)

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■ 板塀状になる湖岸(その2)
10031417h18m_Katata-itabei.jpg (136330 バイト)
 この写真は、西岸の大津市堅田方面を撮影したものです。下段の写真は、上段の写真に該当する通常時の風景です。
 湖岸が“板塀”状態(高さが揃って水平一直線)になって見えます。湖岸が複雑に引き伸ばされていることが、下段の写真と比較するとよく分かります。

2010年3月14日17時18分、大津市なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)

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■ 遠方の蜃気楼(その1)
10031417h24m_looming.jpg (102284 バイト)
 この写真は、琵琶湖大橋最高部周辺を撮影したものです。下段の写真は、上段の写真に該当する通常時の風景です。
 一見して琵琶湖大橋のアーチ型の橋梁が、水平一直線状に変化していることが分かります。写真の右側に分裂した橋梁の一部が写っています。また、左から2本目橋脚には、フーチングの上方倒立したものが出現しており、写真の左側の橋梁の下部にある建造物(造船所)は伸びています。特筆すべき点は、下段の赤矢印の部分で、後方の比良山系の裾野は水平線下に沈んでいますが、上段の写真では通常見えている山の部分と水平線下に隠れた(地図上で撮影地から推定約40Km離れた)陸地の部分が、蜃気楼化して複雑な姿で出現しています。

2010年3月14日17時24分、大津市なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)

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■ 遠方の蜃気楼(その2)
10031417h25_looming02&Z.jpg (101896 バイト)
 この写真も琵琶湖大橋の最高部周辺を撮影しあものです。下段の写真は、上段の蜃気楼写真に該当する通常時の風景です。
 上段の写真では、琵琶湖大橋が上方に伸びると共にほぼ水平一直線となり、橋梁の右側の一部はZ字型(3像型)の蜃気楼となっています。また、写真左端の橋梁の下部に見える建造物(造船所)は、大きく伸びています。ここまでは、ひとつ上の“遠方の蜃気楼(その1)とほぼ同じです。面白いのは、その写真から約一分後に(通常は下段の赤矢印の先あたりで水平線に隠れて見える)比良山の裾野がひとつ前の写真とがらりと変化しているところです。この写真では、水平線下に隠れた部分が見え出して更に上方倒立像(写真中央付近)が見えており、さらにその像の一部が右(東)側に(橋梁のZ字型の部分あたりまで)途中で途切れて見えるものの、長く伸びて見えています。このような、後方の山の裾野等の激しい変化は今まで見たことがありません。
 琵琶湖では、この様に湖上の大気の透明度が高い日に水平線下に隠れたものが蜃気楼となって見える場合がある。この例が本当の“見えないものが見える”の実例です。普通、日本の海岸から異国の風景(遥か遠方の風景)が蜃気楼となって見えることはありえないことです。

2010年3月14日17時25分、大津市なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)

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■ Z字型(3像型の蜃気楼)になる橋梁
10031418h02m_Z.jpg (97187 バイト)
 この写真は、琵琶湖大橋の東側の橋梁を撮影したものです。東側の橋梁がZ字型(3像型の蜃気楼)になって見えます。この時間帯は、薄暗くて肉眼での確認が困難でしたが双眼鏡ではZ字型に変形した様子が確認できました。通常の一眼レフでは、露出に時間がかかるために当日撮影していたビデオカメラでスチル画像を撮影したました。

2010年3月14日18時02分、大津市なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)

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