琵琶湖の蜃気楼で聞きなれないもの
~ エリ、フーチング、ビットの正体 ~

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■  琵琶湖で蜃気楼となるものは、琵琶湖大橋、湖面、対岸、ボートなど多数ありますが、その中で
  も、ふだん見慣れていないものや見ていても名称が分からないものがあります。
   ここでは、琵琶湖上位蜃気楼写真やその解説に度々登場する「エリ」、「フーチング」、「ビッ
  ト」の実際(通常)の姿を写真で紹介し簡単に解説したいと思います。


 

 

■ エリ
Eri.JPG (80579 バイト)
 この写真は、“エリ”とよばれる定置漁具を撮影したものです。定点観測地点から、水平線下に隠れて見えませんが、湖上に多数配置されています。湖面が蜃気楼となった時に、このエリが蜃気楼となって現れることがあります。
 エリは“魚”偏(へん)に“入”と書きます。字のごとく、魚を捕らえる漁具です。竹竿を多数湖底に立てて、“←(矢印)状”に配置して魚を追い込んで出にくくした、滋賀県での伝統的な定置漁具です。
 残念なことに、近年、ジェットスキーやモーターボートのスピードの出し過ぎで操作を誤り、エリと衝突する事故が起こっています。琵琶湖で昔から行われてきた伝統的な漁法・漁具であるエリを守り継承されていくことと、湖上レジャーで怪我や命を落とすことがないように祈っております。
※ エリには漢字が存在します。パソコンのフォントで文字化けするのでカタカナ表記にしています。

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■ フーチング
Footing_Mid.JPG (93967 バイト)
 この写真は、守山市木浜町の湖岸から琵琶湖大橋の最高部周辺を撮影したものです。
 琵琶湖大橋の最高部は基準水面から約26mの高さがあり、その形は全体的にはアーチ状をなしています。
 矢印の指し示す先をご覧下さい。橋脚下部の水面上に、台座のように見えるものが、フーチングです。建築や土木用語で橋脚などを支える基礎または土台を“フーチング”と呼んでいます。このHP内では、フーチングとか土台でイメージが掴み難いと思い括弧付けで“橋脚支持台”と補足しています。
 ご覧のフーチングは撮影地から見えていますが、定点観測地から琵琶湖大橋まで十数Km離れているために、水平線下に隠れて(余程の渇水!?でないかぎり)見ることができません。
 遠方の物体がその高さに応じて、水平線に隠れる現象は、地球が球形であるという良い証です。

 

 

 

Footing_Mono.JPG (64963 バイト)

 この写真は、琵琶湖大橋最高部付近の橋脚とフーチングを撮影したものです。
 ご覧のフーチングは、湖面から2mほどの高さがあります。単純計算では、水平方向に10Km離れると、地球の球面の効果により約8.4mほど下がります。2mほどの高さのフーチングは、通常、定点観測地からは常に水平線の下に隠れて見ることができないのです。

 

 

 

Footing_East.JPG (68177 バイト)
 この写真は、守山市木浜町の湖岸から琵琶湖大橋東側の橋梁を撮影したものです。橋の近い場所からはこの写真のように見えます。一方、通常は、定点観測地から琵琶湖大橋まで十数Kmと離れているために、フーチングが見えません。しかし、琵琶湖大橋が蜃気楼となって見える時に、定点観測地からは、この写真のように見えることがあります。その上、このフーチングが2像型の蜃気楼や上方に伸びる蜃気楼となって見えることがあります。
 通常は、地球が球面であるために水平線下に隠れて見ることのできない物体を蜃気楼となって、我々の目に見せてくれるのは、上位蜃気楼ならではの現象です。

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■ ビット
Bitt01.JPG (73006 バイト)
 この写真は、草津市の湖岸から烏丸半島にある琵琶湖博物館周辺を撮影したものです。
 この写真の中央付近から左端にかけての湖岸に注目して下さい。2つの矢印の間に“杭(くい)”のようなものが多数並んで見えます。これは、烏丸半島の港にある“ビット”と呼ばれるものです。日本語訳では“係柱”となりますが、分かり辛いと思うので、勝手に“船舶係留(けいりゅう)杭”と括弧書きで補足を入れています。ビットは、船を繋ぎとめておくためものです。
 琵琶湖博物館方面が上位蜃気楼になると、このビットが上方に伸びたり、板塀状の蜃気楼になることがあります。定点観測地のなぎさ公園おまつり広場からは、琵琶湖博物館手前の湖上に“鉄の檻(おり)”が出現したかのように見えます。

 

 

 

Bitt02.JPG (96692 バイト)
 この写真は、草津市烏丸半島の港から湖面から岸に立ち並ぶ“ビット”を撮影したものです。また、湖岸の直ぐ内側にも“く”の字型の係留柱が多数並んでいます。(本当に、このビットで湖上の遊覧船などを係留しているのでしょうか?)
 先の写真では、ビットを正面から撮影したもので、こげ茶色に見えます。この写真では、“銀色”の杭に見えます。表と裏で塗装が違うようです。
 このビットは湖面から約3mほどの高さがありますが、定点観測のなぎさ公園から約9Km離れているために地球の球面効果で沈み込んで見えるために目立ちません。完全に見えないか?というと、日によって異なります。湖上の温度差によって光が屈折して多少見えることがあります。これは蜃気楼と呼べるほどのものではありません。琵琶湖が特別なのではなく、遠方の風景は大気の温度差によって多少屈折して見えます。ですから、琵琶湖で蜃気楼と比較するための実景を撮影するのには苦労します。上位蜃気楼シーズンが終わり空気の澄みきった日でも、撮影対象物が下方に多少伸びて見えたり、上方に多少伸びて見えたり、多少浮き上がって見えたりすることがあります。写真撮影の場合に障害となるのは、湖上のヘイズ(モヤ)だけではありません。琵琶湖周辺の実景を定点観測地から撮影できる回数は、上位蜃気楼の発生回数よりも少ないかもしれません。(上位蜃気楼は、年間で平均して十数回ほど発生します)

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