2009年1月29日に発生した上位蜃気楼(2009年度観測第一号)
|部分的に太くなる琵琶湖大橋| |部塔または針状に伸びだす湖岸| |板塀状になる湖岸堅田方面|
|Zまたは横倒しのV字型になりかける琵琶湖大橋| |横倒しのV字型になる琵琶湖大橋|
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■ 2009年1月29日(木)に発生した上位蜃気楼 この日は、朝方は放射冷却により気温は低く、午前中は風も弱く、日差しもあり3月下旬を思
わせる様な日でした。
なぎさ公園おまつり広場に到着し双眼鏡で湖上を観察すると、微妙ながらも琵琶湖大橋が通常
よりも太く見え、琵琶湖博物館(草津市烏丸半島)周辺の極一部分が板塀状になっているように
見えました。湖岸では風は弱く、少々肌寒く感じる上に、肌に感じる風が吹くと非常に寒く感じ、
湖岸に立っているのも辛い状況でした。しかし、本当に上位蜃気楼的な変化なのか?琵琶湖大橋
の橋梁がいつもより太く見えても必ずしも上位蜃気楼に移行するとは言い切れないし、烏丸半島
の板塀に見える部分も限られた部分(見かけ上、偶然そのように見えたのかも・・・)であるた
め、所用先に出かけるまでの約1時間半程成り行きを見届けることにしました。
12:50頃から琵琶湖大橋の橋梁が顕著に変化し出しました。そして、琵琶湖大橋はZ字(3像)
型の蜃気楼になり、東西の対岸も板塀状の蜃気楼になりました。所用のために、1月に上位蜃気
楼が発生するという非常に珍しい光景の観測を中断するのは残念でした。1時間ほどで事を済ま
せなぎさ公園に戻ると、残念ながら東西の対岸や琵琶湖大橋は細く縮んでいました。
琵琶湖で蜃気楼を定点観測してきて、過去2月に上位蜃気楼が発生した例は少ないもののあり
ますが、1月の発生確認はありませんでした。というか、1月という寒い時期に出る可能性は非
常に低いという思い込みのため、今まで時間に余裕があっても(寒さに負けて・・・)観測に出
かけようとする努力をあまりしなかったので、12月や1月という冬季での発生を見逃していた
のかもしれません。たまたまこの日に所用のため休暇をとっていたり、なぎさ公園に立ち寄れる時
間があったなど、今回は幸運であった!と思いました。そして、肌寒い中、カメラのバッテリー
も充電しておらずバッテリー残量が34%という何時撮影ができなくなってもいい状況下で撮影を
続けられたことも!記録に残せてこその蜃気楼観測ですから・・・
今回運良く撮影できた琵琶湖の蜃気楼を紹介します。(ヘイズの影響で鮮明でないのが残念で
す。画像処理で、できる限り鮮明にしために少々画像が荒れていますが、ご容赦を。m(__)m
琵琶湖大橋の最高部周辺は通常でも他の橋梁より太いのですが、この写真では橋梁の太さが場所によって違います。また、通常よりも高く伸びています。琵琶湖大橋を見慣れない方でも、この写真からは、「違和感のある橋の姿」だと感じることと思います。 琵琶湖大橋がこの様に変化していれば、その後見事な上位蜃気楼が湖上に現れる可能性が大です。 2009年1月29日(木)13時10分、大津市なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)
塔または針状に伸びだす湖岸の風景
この写真は、対岸の守山市赤野井方面を撮影したもので、対岸の風景の高さがそろい、水平一直線板塀状の蜃気楼に成っていく過程です。普段の風景を見慣れていないと、この蜃気楼の成長過程を見逃すかもしれません。 2009年1月29日(木)13時16分、大津市なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)
対岸の風景が通常よりも上方に高くなり、その高さが水平一直線状にそろう“板塀状”の蜃気楼。上位蜃気楼の典型的な例です。元の風景の下方に伸びた像や下方倒立像ができる下位蜃気楼(浮島現象)とは、全く異なる像変化です。写真の右には、線のように細くなった琵琶湖大橋が長く伸びた橋脚とともに写っています。この様な姿になってしまうと、元の景色を想像することができません。 2009年1月29日(木)13時28分、大津市なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)
琵琶湖大橋の東側の橋梁を撮影したものです。東側の橋梁の一部が太くなり出し、横方向に分裂し始めている光景です。通常、この後に橋梁がZ字型か横倒しのV字型(何れも3像型の蜃気楼)に変形していきます。また、逆にZ字型や横V字型の変形が崩れる場合もこのような姿になります。 2009年1月29日(木)13時18分、大津市なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)
写真上:横倒しのV字型になる琵琶湖大橋(全景)。琵琶湖大橋全体が高く伸び最高部周辺は、水平一直線状となり、右(東)側の橋梁は横倒しのV字型(3像型)の蜃気楼となり、左(西)側の橋梁下部の建物(杢兵衛造船所)は板塀状の蜃気楼となっています。 写真下:横倒しのV字型となった琵琶湖大橋のアップ。橋梁の上方倒立した姿(幻の橋)が空中に伸びている様子が判ります。 2009年1月29日(木)13時26分、大津市なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)
写真上:Z字型になる琵琶湖大橋Ⅰ。琵琶湖大橋全体が細く高くなり、右(東)側の橋梁がZ字型(3像型)の蜃気楼となり、左(西)側の橋梁下部の建物(杢兵衛造船所)は先の「横倒しのV字型」の時とは異なる板塀状の蜃気楼になっています。13時29分 写真中:Z字型になる琵琶湖大橋Ⅱ。琵琶湖大橋全体がややアーチ型となり、右(東)側の橋梁のZ字部分は「写真上」と微妙に異なっています。写真右端近くの橋上にある長方形状のものは、車が板塀状化したもの。また、左(西)側の橋梁下部の建物は、板塀状から“塔”状のものが伸びた様に変形しています。上位蜃気楼は、時々刻々とその姿を変えていきます。13時29分 写真下:Z字型になる琵琶湖大橋のアップ。上方倒立した幻の橋の延長線のように薄茶色の筋のようなものが右上がりで見えています。これは気温の逆転層が視覚化しているものと思われます。13時28分 2009年1月29日(木)、大津市なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)
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