小樽の蜃気楼1(北海道小樽市)

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小樽の蜃気楼について ||小樽の高島から撮影された蜃気楼

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【北海道小樽市高島から見える蜃気楼の紹介】

 

<小樽市高島から銭函方面の範囲と距離>
otaru_sinkirou_map01.gif (50236 バイト)

※ 小樽市高島から小樽市銭函方面が上位蜃気楼を見ることができるポイントのようです 

■ 小樽の蜃気楼について

 

 北海道の小樽市の石狩湾周辺でも上位蜃気楼を見ることができることを、北海道の小樽市青少年科学技術館の学芸員
の大鐘さんから情報をいただきました。大鐘さんは「小樽沖でみることができる蜃気楼」について研究をしておられま
す。大鐘さんは「幕末の北方探検家・松浦武四郎が1846年に小樽沖を航行中に蜃気楼をみたと、著書『西蝦夷日誌』
に記述があることから、観測をおこなっておられます。その結果、1998年4~5月に3回の写真撮影に成功、19
99年は観測に成功していないそうです。
 上の地図をご覧のように、小樽市の高島から銭函にある「おたるドリームビーチ」方面に上位蜃気楼が見えるようで
す。距離は高島からおたるドリームビーチまで約13km。この距離は琵琶湖南湖や魚津の上位蜃気楼がよく現れる距
離と一致しています。
  大鐘さんによれば、蜃気楼発生時は小樽で北東の風、銭函近くの手稲山口では東南東の風。海水面温度は13~14℃
「天気図的には、北海道南東に高気圧、北に低気圧。九州付近に北東に進む、前線を伴った低気圧。北海道は全般的
に晴れ、南風が入ってきています。実際この日は北海道でもフェーン現象で、日本海側やオホーツク海側で気温上昇が
ありました。この時期としてはとても温かい日でした。」との解説をいただきました。
 小樽の方の風向(北東)は琵琶湖や魚津と一致しておりますが、銭函近くの風向(東南東)は琵琶湖や魚津(北から
北東の間)と異なります。また、フェーン現象による気温上昇が上位蜃気楼発生の原因のように思えますが、琵琶湖や
魚津ではフェーン現象発生時には上位蜃気楼の観測がされておりません。このあたりが、上位蜃気楼発生のメカニズム
を解明する糸口になるような気がします。


■ 小樽の高島から撮影された蜃気楼

 

 

Otaru_Sinkirou01.jpg (67452 バイト)

 この蜃気楼は、富山湾でみられる蜃気楼と同じ春型、上位蜃気楼です。

 参考資料として、1998年5月12日の蜃気楼画像を添付します。
 いずれも同一方向、同倍率(500mm+2倍テレコン)の画角です。
 小樽市高島から小樽市銭函のドリームビーチ(海水浴場)を写しています。
 

  1番上:実景です。
 11:47:平屋の海の家が伸び上がって見えます。
 11:51:ビルのように見えます。奥のマンションが隠れてしまいました。
 11:53:砂浜が伸び上がっているようです。


(大鐘さんのメールより原文のまま抜粋)

小樽市銭函(おたるドリームビーチ)方面に現れた上位蜃気楼

 

 ここで掲載した写真は、前述の樽市青少年科学技術館学芸員の大鐘さんから提供していただいたものです。
 写真を見ますと、典型的な上位蜃気楼像になっています。つまり、通常風景が伸びと上方倒立が加わり、高さ
が水平一直線状になる「板塀」のような像になっています。大鐘さんによれば、「松浦武四郎の著書のなかで、
地元の船主によると、“高島おばけ”と呼ばれ、これが出ると、雨が降る」と記されているそうです。実際その後
降雨がみられたとのことです。


 

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