上位蜃気楼・下位蜃気楼の混在蜃気楼


 琵琶湖での蜃気楼を観察していると、春先の4月~5月には、朝方から下位蜃気楼になっていることが多くあります。そこで、今日は上位蜃気楼は出ないかと思っていたら・・・徐々に通常状態に戻っていた後や下位蜃気楼として下方倒立や下方への伸びる像があるのに琵琶湖大橋が上位蜃気楼に転ずることが、よくあります。
 上述のように下位蜃気楼から上位蜃気楼に変わることがあっても、両方が混在することは互いの生成条件が正反対ですから、あり得そうに思われません。過去、視界があまり良くない時に混在らしきものを何度か観察しました。しかし、明確に混在する!と断言できる写真など撮れませんでした。
 1998年05月17日に目を疑いたくなる光景が飛び込んできました。水を入れた水槽の中に飽和食塩水か飽和ショ糖液を注いで水槽越しに見た人工蜃気楼のような鮮明さで。長年観察をしている私でも初めは、下位蜃気楼?と思ったほどでした・・・
2000年5月30日に明らかに上位蜃気楼と下位蜃気楼の混在した蜃気楼が発生しました。


上下混在蜃気楼.jpg (23595 バイト)

上位蜃気楼と下位蜃気楼の混在蜃気楼

 緑の矢線を見れば,船体や橋の一部が下方倒立していることが分かります。船の後方は琵琶湖大橋東側の湖面に近い部分です。下方に伸びていように見えますが、2つの白矢線間の先周辺は上位蜃気楼の特徴的な像です。つまり、上位蜃気楼と下位蜃気楼が混在しているのです。
 この日は、午前中からこの状態で、午後2時あたりには上位蜃気楼のみになりました。極めて珍しい現象の一つだと思います。
※ 魚津の方でもこのような例はないようです。琵琶湖の特異な局地的気象による可能性が強いと思います。

撮影:平成10年05月11日








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