2012年4月29日に発生した上位蜃気楼(2012年度観測第6号)
| 西岸の大津市堅田方面の蜃気楼| | 東岸の草津市烏丸半島方面の蜃気楼 |
| 東岸の草津市山田方面の蜃気楼 | | 西岸の大津市堅田方面の蜃気楼2 |
| 琵琶湖大橋の蜃気楼 | | 反転する守山市木浜町方面の湖岸| | 東西で折れ曲がる琵琶湖大橋|
| 板塀状の蜃気楼になりつつある東岸 | | 板塀状の蜃気楼になりつつある東岸2|
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■ 2012年4月29日(日)に発生した上位蜃気楼 昨日(4月28日)に続き、今日も上位蜃気楼が発生しました。今季初の連続出現となります。昨日
と大きく異なるのは、湖上の視界が悪かったことです。蜃気楼の発生を確認した時は、定点観測地か
ら約14km遠方の琵琶湖大橋を始め、約5km以上の東西の対岸がヘイズ(もや)の影響で肉眼で見え
ませんでした。双眼鏡で薄っすらと見ることができました。
幸運なことに、午後12時過ぎあたりから肉眼で琵琶湖大橋が確認できるまでに湖上の視界が回復
してきました。ただし、昨日の様に、鮮明に琵琶湖大橋が見えたり、橋の後方の比良山の裾野が見え
ることはありませんでした。
この日の特徴的なことは、3つです。1つ目は「該当風景の上方倒立像が明確に分かる蜃気楼の
発生」、2つ目は「今まで見たことのない形状に琵琶湖大橋が変化した」、3つ目は「定点観測地点か
ら割合近い場所(方向)に出現した」ことです。結構面白い蜃気楼像を観ることができたので、湖上の
視界がもう少し良くなれば、ビデオカメラ(ハイビジョン画質)で撮影できたのにと悔やまれます。
では、この日に撮影した蜃気楼像を紹介します。
この画像は、西岸の大津市堅田方面を撮影したものです。上段の画像は蜃気楼で、下段の画像がそれに対応する通常風景です。 画像の中央の観覧車(直径108m)をご覧下さい。上段の画像では、観覧車の下部が伸びていることが下段の画像と比較すると分かります。また、下段の画像では、観覧車の左の木々に隠され屋根付近しか見えない建築物が、上段の画像では上位蜃気楼として伸びたり倒立した像が合体して現れています。よく見ると、上段では堅田の湖岸が極端に圧縮されて見えます。 2012年4月29日(日)12:23、大津湖岸なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)
この画像は、東岸の草津市烏丸半島方面を撮影したものです。上段の画像は蜃気楼で、下段の画像がそれに対応する通常風景です。水面と湖岸の間に見える黒い点状のものは、ビット(船舶係留杭)です。
上段の画像は、ビットと港後方の公園の地面や芝生の上方反転像を含んだ板塀状の(風景が水平一直線状に高さがそろった)蜃気楼になっている様子が下段の画像と比べることで分かります。2012年4月29日(日)14:00、大津湖岸なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)
この画像は、定点観測地点から直線距離にして約4kmほど先にある東岸の草津市山田方面を撮影したものです。上段の画像は蜃気楼で、下段の画像がそれに対応する通常風景です。ただし、上段と下段の画像を撮影した場所が少し離れている為に、完全一致していません。今回は、画像中央の緑色の屋根の建物に上段と下段の画像を合わせました。
下段の中央に木々に隠れた緑色の建物が上段では、伸びた蜃気楼像となって見えています。この建物から左方面では、景色の高さが水平一直線にならんだ“板塀状の蜃気楼”になっています。面白いことに、湖岸付近にあるビニールハウスには変化がなく、それより後方の景色が変化しています。蜃気楼は平面的で高さによって像変化するだけでなく、前後の奥行きの違いも像変化で表すことが分かります。そのため、手前にある障害物で見えないはずの物が見えることがあるのです。2012年4月29日(日)14:08、大津湖岸なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)
この画像は、西岸の大津市堅田方面を撮影したものです。上段の画像は蜃気楼で、下段の画像がそれに対応する通常風景です。
上段の画像では、湖岸が「高さがほぼ水平一直線になった“ぼやけた”」様に見えます。下段の画像と比較しない限り、元の姿がどの様であったのか想像できません。ふだんの湖岸よりも高くなっています。上位蜃気楼は、ふだんの風景を大きく変化させ、見る人それぞれぞれに異なった印象を与える像を創り出すことがあります。2012年4月29日(日)14:50、大津湖岸なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)
この画像は、琵琶湖大橋を撮影したものです。上段の画像は蜃気楼で、下段の画像がそれに対応する通常風景です。
上段の画像では、琵琶湖大橋が高く伸び、細い線状に変化し、右(東)側の橋梁では横V字型(3像型)の蜃気楼になって見えます。また、左(西)側の橋梁の下にある杢兵衛造船所がぼやけた2像型蜃気楼にみえます。そして、ふだんは定点観測地点から水平線の下に隠れて見えないフーチング(橋脚支持台)が倒立像を伴って見えています。
琵琶湖大橋のラインが上段の画像の様な(針金をグニャグニャに曲げて伸ばした後、滑らかな線状にならずに、小刻みに凹凸がある様な)変化したものを見たのは今回が初めてです。上位蜃気楼は、さまざまな条件により時として今まで見たこともない様な像を創りだします。上位蜃気楼とは実に面白くて魅力ある現象だと思いませんか?2012年4月29日(日)14:52、大津湖岸なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)
この画像は、東岸の守山市木浜町方面を撮影したものです。上段の画像は蜃気楼で、下段の画像がそれに対応する通常の風景です。下段の中央付近の湖岸にある“茶色のかまぼこ型”の建物に注目して下さい。その上の上段の画像をみると、“かまぼこ型”の建物の上に“逆さになった像”が現れています。この“逆さになったかまぼこ型”の左右の横一列に現れているのは、湖岸の木々の反転像です。通常ならば、湖岸付近の風景等は反転像だけでなく、大きく縦に引き伸ばされた像も生じますから元の風景が想像できない像となった“板塀状蜃気楼(参考:西岸の大津市堅田方面の蜃気楼2)”となりますから、今回の様に見えることは珍しいといえます。 2012年4月29日(日)14:54、大津湖岸なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)
この画像は、琵琶湖大橋を撮影したものです。上段の画像は蜃気楼で、下段の画像がそれに対応する通常の風景です。上段と下段を比べると、琵琶湖大橋は全体的に高く伸びており、左右(東西)の橋梁が折れ曲がって見えます。左端は逆Z字型、右端はZ字型に見えます。これらの部分は、3像型の蜃気楼になっています。 2012年4月29日(日)14:57、大津湖岸なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)
この画像は、東岸の守山市木浜町方面を撮影したものです。上段の画像は蜃気楼で、下段の画像がそれに対応する通常の風景です。上段の画像は、湖岸に“風景の高さが水平一直線になる”板塀状の蜃気楼ができつつある様子です。画像の中央から左にかけて湖岸の風景の上端の一部が反転しており、画像の右方向にかけては、元の風景の伸びと上方の反転像が合体していく様子を見ることができます。右端付近では板塀状に見える部分もあります。その後、この湖岸は元の風景が判別できないような“板塀状の蜃気楼”になりました。 2012年4月29日(日)14:57、大津湖岸なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)
この画像は、東岸の草津市烏丸半島方面を撮影したものです。上段の画像は蜃気楼で、下段の画像がそれに対応する通常の風景です。上段の画像は、湖岸に“風景の高さが水平一直線になる”板塀状の蜃気楼ができつつある様子です。画像の中央をみると、元の風景が上方に伸びている様子とその上に倒立像(実際は、倒立像の上に圧縮された正立像が合体しています)が生じています。そして、薄っすらと筋状の反転像が左右に続いていき“板塀状の蜃気楼”と合体しています。下段の通常風景と上段の蜃気楼像を比較すると、湖岸の手前の風景はそのままで後方の風景が蜃気楼となっています。この画像からも蜃気楼は、風景を平面的に像変化させるだけでなく、立体的に前後の違いを像変化で見せます。(撮影地点から湖岸の手前の風景が近すぎて像変化しないのではありません。この湖岸手前までは撮影地点から約9kmもあり、上位蜃気楼がよく発生する位置関係にあります。) 2012年4月29日(日)14:59、大津湖岸なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)
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