2012年4月12日に発生した上位蜃気楼(2012年度観測第2号)

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■ 2012年4月12日(木)に発生した上位蜃気楼
   
      この日は、朝方寒く日中暖かく感じられる上位蜃気楼発生日和でした。
     発生した上位蜃気楼は、琵琶湖大橋のZ字型(3像型)や東西の湖岸が板塀状の蜃気楼になるなど
    しました。ようやくいつもの「琵琶湖の蜃気楼が発生した!」と思えるものでした。また、3月1日
   の第1号と同様、湖上の大気の透明度も良い方で琵琶湖大橋の後方に見える比良山系の裾野の上位蜃
   気楼も確認できました。

 
    

 

■ Z字型になる琵琶湖大橋
  
Web_n_Z01_120412_14h02m.jpg (101872 バイト)
 この画像は、琵琶湖大橋のほぼ全体を撮影したものです。上段の画像が上位蜃気楼、下段の画像がそれに対応する通常風景です。上段と下段の画像を見比べて直ぐに気づくのは、上段の琵琶湖大橋の右側です。橋の形状が“Z”の様に変形しています。この部分は3像型の蜃気楼になっています。また、橋全体が通常よりも高くて伸びて水平になって見えます。
 Aの矢印の指し示す先は、西岸の大津市堅田にある杢兵衛造船所の屋根が大きく伸びて一部反転しています。また、矢印Bの指し示す辺りには、ふだんなぎさ公園からは水平線の下に隠れて見えるはずのない比良山の裾野が空中に反転している様子が薄っすらと見えます。この反転して見えているあたりは、なぎさ公園から直線距離にして約40km遠方の高島市安曇川町周辺だと思われます。

2012年4月12日(木)14:02、大津湖岸なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:房 英夫会員)

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■ Z字型になる琵琶湖大橋2
  
Web_md_bridgeZ03_120412_14h06m.jpg (99151 バイト)
 この画像は、琵琶湖大橋を撮影したものです。上段が上位蜃気楼画像で、下段がそれに対応する通常風景です。この上段の画像も先に紹介したものと同様、琵琶湖大橋が“Z”に変化しています。赤色の矢印が指し示す部分は、西岸の大津市堅田の杢兵衛造船所の屋根が上方倒立像を伴って見えています。また、黄色の矢印の指し示す先に縦長の長方形が見えます。これらは、橋上を走行する車が伸びたまたは2像、3像が1像目と合体したものです。

2012年4月12日(木)14:06、大津湖岸なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:房 英夫会員)

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■ Z字型になる琵琶湖大橋3
  
Web_n_Z02_120412_14h12m.jpg (102053 バイト)
 この画像は、琵琶湖大橋の最高部周辺から東の方にかけて撮影したものです。上段の画像は上位蜃気楼、下段の画像はそれに対応する通常風景です。この上段の画像も琵琶湖大橋の一部が“Z”字型になっています。
 Aの矢印の指し示すものは、湖上のヨットに上方倒立が重なった2像型の蜃気楼を示しています。また、Bの矢印の指し示す辺りとその真下あたりで、ふだん水平線の下に隠れて見えないはずの比良山の裾野が上下に分裂して見えます。通常、琵琶湖大橋もかすんで見えることが多いのに、後方の山や裾野までが蜃気楼となって見えているので、この日の湖上大気の透明度のよさがうかがえます。

2012年4月12日(木)14:12、大津湖岸なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:房 英夫会員)

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■ 板塀状になる東岸
  
Web_MoriyamaItabei02_120412_14h14m.jpg (98214 バイト)
 この画像は、東岸の守山市赤野井町から山賀町方面を撮影したものです。上段が上位蜃気楼で、下段がそれらに対応する通常風景です。下段と上段の湖岸周辺を見比べると、下段では自然な感じの輪郭をした対岸風景ですが、上段の方は対岸の風景の高さが高くなり水平一直線状に変化しています。この水平一直線状の蜃気楼を我々は、“板塀状”の蜃気楼とよんでいます。このような変化は、上位蜃気楼独特の像変化ですから、肉眼で遠方を眺めて上蜃気楼が発生しているかを調べる有力な情報となります。そして、その辺りを双眼鏡で確認すれば上位蜃気楼かどうか判明します。そのためにも、ふだんから遠方の風景の様子を知っておくことが大切です。

2012年4月12日(木)14:14、大津湖岸なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:房 英夫会員)

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■ 琵琶湖大橋の最高部の分裂
  
Web_bridgeWZ01_120412_15h30m.jpg (96378 バイト)
 この画像は、琵琶湖大橋を撮影したものです。上段は上位蜃気楼画像、下段はそれに対応する通常風景です。琵琶湖大橋の最高部周辺を上段と下段の画像で比較すると、上段の方は左右で上下に分裂(右側の方が顕著)して見えます。この部分は2~3像型の蜃気楼となっているのです。また、左右で分裂した橋梁周辺に長方形の物体が見えます。これは、橋上を走行する車が上方に変化したものです。その他、橋の右側(東側)も2本に分裂してみています。

2012年4月12日(木)15:30、大津湖岸なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:房 英夫会員)

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■ 板塀状になる東岸2
  
Web_MoriyamaItabe01_120412_15h59m.jpg (98100 バイト)
 この写真は、東岸の守山市山賀町から草津市烏丸半島方面を撮影したものです。上段の画像は上位蜃気楼、下段の画像はそれらに対応する通常風景です。下段と上段を見比べると、上段では湖岸付近が上方倒立して高さが水平一直線にそろった“板塀状”蜃気楼になっています。板塀状の中に見える茶色い2本の帯(地面とその倒立像)の間の上下の白い点状の物は、この湖岸の道路を走行する車の蜃気楼像です。

2012年4月12日(木)15:59、大津湖岸なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:房 英夫会員)

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