2009年5月26日に発生した上位蜃気楼(2009年度観測第13号)
| 横倒しのV字型になる琵琶湖大橋
| |板塀状になる対岸の守山市方面|
|ジグザグになりつつある琵琶湖大橋東側 | |Z字型になる琵琶湖大橋|
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■ 2009年5月26日(火)に発生した上位蜃気楼 この日の天候は、曇空。定点観測地(なぎさ公園おまつり広場)で無風に状態でした。
湖上のヘイズのせいで、琵琶湖大橋が肉眼で見えませんでした。つまり、湖上の大気の
澄み具合は悪い状態でした。蜃気楼は14:50頃、琵琶湖大橋から始まりました。蜃気
楼の発生方向は、西岸の大津市堅田方面~琵琶湖大橋~東岸の守山市方面でした。
琵琶湖大橋は、東側の橋梁が“横倒しのV字型”やZ字型に変形し、対岸の風景は、典
型的な蜃気楼像である“板塀状の蜃気楼”を見ることができました。時間の経過とともに
湖上の見え具合は悪化していくようで、17:00頃にはヘイズの影響がひどくなり写真
撮影が困難であるため観測を中止しました。ここでは、できる限り撮影画像を見やすい
ように画像処理をしたものを4点紹介したいと思います。
この画像は、琵琶湖大橋を撮影したものです。画像の中央より右側の橋梁(東側橋梁)に注目して下さい。通常1本の橋梁が、アルファベットのVの字を横に倒したように変形しています。この部分は、3像型の蜃気楼になっています。その他の橋梁は、伸びているために通常より高く見えています。画像の左側(西側)橋梁の下部に見える造船所(琵琶湖大橋最高部から左に見える橋脚の左側に見える建物)の屋根の部分が伸びて見えます。 2009年5月26日(水)15時19分、大津市なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:房英夫会員)
この画像は、対岸の守山市今浜町~水保町方面を撮影したものです。この画像では、対岸の風景の高さが水平一直線状にそろって、まるで生垣をきれいに剪定したように見えます。これは、伸びるタイプの蜃気楼と2~3像型の蜃気楼が複合したもので“板塀状の蜃気楼”と我々は呼んでいます。一方、板塀状の蜃気楼より上の部分は光の屈折の影響を受けていない=蜃気楼になっていないようです。“板塀状の蜃気楼”は、典型的な上位蜃気楼像です。遠方の風景を眺めて、この画像のように不自然に風景の高さがそろって見えたら上位蜃気楼である可能性が高いといえます。(大気の透明度の良い極地圏を除き、日本で生じる蜃気楼は遠方が霞んで見えるので)肉眼ではよく分りません。双眼鏡やフィールドスコープを使って確認することをお勧めします。 2009年5月26日(火)15時28分、大津市なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:房英夫会員)
この画像は、琵琶湖大橋を撮影したものです。琵琶湖大橋の東側(画像中央より右側)の橋梁は2ヶ所でZ字型の蜃気楼になりけけています。先に紹介した“横倒しのV字型”に変形した橋梁が崩れてこのような“ジグザグ”の一歩手前の姿になっています。蜃気楼を発生させている湖上の逆転層が複雑であることがこの蜃気楼像から分ります。また、画像の左から見える最初の橋脚の左側の造船所は、1枚目の画像よりも伸びて見えます。 2009年5月26日(火)15時52分、大津市なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:房英夫会員)
この画像は、琵琶湖大橋を撮影したものです。画像の右側(琵琶湖大橋の東側橋梁)に注目して下さい。先に紹介した“横倒しのV型”の蜃気楼と異なる“Z字型”の蜃気楼です。見え方は若干異なりますが、これも3像型の蜃気楼です。下から上へ順に正立像(元の橋)→倒立像(2像目)→正立像(3像目)となっています。2像目と3像目はよく合体して見えることが多く、今回のV字型やZ字型も2像目と3ん像目が接しています。Z字型の3像目は、他の橋梁部分が伸びたものとつながっています。(琵琶湖大橋が水平でなく、最高部を頂点とするアーチ型をしているため、逆転層の位置によって3像型になる部分と伸びる部分が生じます)
また、画面の左にみえる造船所(一番左に見える橋脚の左に見える建物)の一部が上方倒立して元の像と合体して見えます。それより左側の風景(大津市今堅田)は、高さが水平一直線状になって見える“板塀状の蜃気楼”となっています。2009年5月26日(火)16時11分、大津市なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:房英夫会員)
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