2009年5月9日に発生した上位蜃気楼(2009年度観測第9号)
| 板塀状の蜃気楼になる守山市水保町方面| |Z字型に変形する橋梁 |
| 東西で屈曲する橋梁 | | 空中で反転する車 | | 板塀状なる西岸の大津市堅田方面 |
| 上方倒立する草津市烏丸半島周辺
| | 蜃気楼の成長過程
| | 分裂する橋梁
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■ 2009年5月9日(土)に発生した上位蜃気楼 この日は、琵琶湖大橋の東側の橋梁が太くなり始めて、蜃気楼が拡がっていくという通常の
現れ方でした。しかし、発生から1時間ほどで琵琶湖大橋は実景とほぼ同じ状態にもどり蜃気
楼は消滅?と思われました。ところが、50分ほど経過すると再び、琵琶湖大橋の東側の橋梁が
太くなりだしZ字(3像)型の蜃気楼へと変化しだすと、東西の湖岸も蜃気楼化が始まりました。
東西の湖岸、特に東岸に出現した蜃気楼は板塀状の蜃気楼になる手前の変化・・・つまり、
対岸の実風景の上にその倒立像が一部現れ“モスク”のような形状になる蜃気楼になりました。
琵琶湖の南湖は、対岸に対して順光となるため、蜃気楼には元の風景に元ずく色があります。
この現象が、魚津の海岸から富山市方面に現れた蜃気楼の様に、逆光ならば・・・“モスク”の
ような形状の蜃気楼は、より幻想的となり“異国の風景”を連想させることだったと思います。
その他、この日は琵琶湖大橋の東側の橋梁が、何度もZ字型に変形したり、橋上を走行する
車が空中に倒立して見えるなど蜃気楼としては素晴らしいものだったと思います。この日は、
日没に近い18:50においても琵琶湖大橋が変化をしいましたが、湖上のヘイズに加え辺りも暗
くなって観測や撮影に不向きと判断して、蜃気楼の消滅を確認することなく観測を中止して帰
宅しました。
この画像は、東岸の守山市水保町方面を撮影したものです。対岸の風景が伸びて、高さが水平一直線状にそろって見えます。この光景を板塀状の蜃気楼とよんでいます。上位蜃気楼の典型的な蜃気楼像です。対岸など遠方の風景を眺めて、風景の高さが妙にそろってみえたら・・・上位蜃気楼の可能性が大いにあります。双眼鏡で確認しましょう! 2009年5月9日(土)13時51分、大津市なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)
この画像は、琵琶湖大橋の東側橋梁を撮影したものです。本来の琵琶湖大橋より高く伸びて橋梁が細くなっています。画面中央から左にかけてアルファベットの“Z”の様に変形しています。この部分は、3像型の蜃気楼です。この画像では、左から右へ続く細く高くなった橋梁の延長線上に薄っすらとグレーの帯ができています。この帯の気温の逆転層です。画面右の小さな三角は湖上のヨットです。よく見ると、その頭上に反転したそのヨットの一部分が現れて見えています。これは、2像型の蜃気楼の部類に入ります。 2009年5月9日(土)15時51分、大津市なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)
この画像は、琵琶湖大橋の最高部を中心にその東西(左右)の橋梁を撮影したものです。画像の左右の橋梁を見ると、明確なZ字型(左側=西側の橋梁は、逆Z字型)ではありませんが、屈曲している様子が分ります。この日は、先の画像で紹介した東側の“明確なZ字型”の橋梁がだんだん崩れていく途中で、西側(=左側)の橋梁も屈曲していきました。 2009年5月9日(土)16時6分、大津市なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)
■ 空中で反転する車
この画像は、琵琶湖大橋の東詰周辺を撮影したものです。画像の真中より右よりに、“湖上に浮かぶ屋根(滋賀県の施設で、水質や気象を記録する南湖湖心局とよばれるものです)”があります。“その左側”と“二つのヨットの間”に空中に浮かぶ白っぽいものがあります。それらの物体の真下にも物体があります。撮影倍率が小さいので解かり辛いかもしれませんが、琵琶湖大橋を走行する車が上方倒立した蜃気楼像です。また、“湖上に浮かぶ屋根”のすぐ右側は、守山市今浜町のリゾートホテルの下部周辺も上方倒立して見えます。この時の東岸の守山市方面は、板塀状の蜃気楼になっていました。 2009年5月9日(土)16時8分、大津市なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)
この画像は、琵琶湖大橋西詰周辺の大津市堅田方面を撮影したものです。画面の左から右にかけてほぼ高さがそろって見えます。上位蜃気楼の典型的な蜃気楼像である“板塀状の蜃気楼”です。右側の細い線状のものは、琵琶湖大橋の橋梁です。湖上の水色のヨットの右斜め上には、建物(杢兵衛造船所)の上方倒立像が橋梁の下部に見えています。 2009年5月9日(土)16時13分、大津市なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)
この画像は、守山市と草津市の境界周辺の草津市烏丸半島方面を撮影したものです。画像の真中から、左右にかけて湖岸の風景の倒立像ができ、高さが水平一直線となって帯状(板塀状)に見えます。 2009年5月9日(土)16時33分、大津市なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)
■ 蜃気楼の成長過程
この画像は、東岸の守山市水保町から赤野井町方面を撮影したものです。湖岸の実風景が部分的に伸びて針状になったものや倒立像の一部分が空中に多数できています。琵琶湖だけ?かもしれませんが・・・このような光景(蜃気楼ができていく過程)は、急速に展開して行くためにあっという間に板塀状の蜃気楼になります。この日は、このような光景が東岸や西岸で割合長い間出現していたので撮影間隔をあけて何枚も撮影できました。久々にじっくりと観察すると、実に不思議な光景だなぁとつくづく感じました。この光景が、順光でなく逆光ならば“このような光景がシルエット状”になって、異国の“モスク”が多数立ち並んだように見え、幻想的に見えることでしょう。 2009年5月9日(土)16時38分、大津市なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)
■ 分裂する橋梁
この画像は、琵琶湖大橋の東側の橋梁を撮影したものです。琵琶湖大橋の東側の橋梁は、観測地(大津市なぎさ公園おまつり広場)から見ると、水平線に接しているように見える部分があります。この橋梁も通常は、水面ぎりぎりに接しているように見えます。しかし、この画像では、橋梁が太くなって水面から離れて見え、水平線の下に隠れて見えるはずのない“橋脚支持台(フーチング)”も蜃気楼となって見えています。また、画像の中央から右方向にかけて橋梁が2本に分裂して見えます。この日は、夕方遅くまで湖岸や琵琶湖大橋が変形して見えました。辺りが薄暗くなり観測や撮影に不利になったので観察を中止した18:50においても、双眼鏡で観察すると琵琶湖大橋が変形したり、湖岸が板塀状の蜃気楼になっていました。久々に長時間蜃気楼が出現した日でした。 2009年5月9日(土)18時2分、大津市なぎさ公園おまつり広場より撮影(撮影者:ヒデヨシ会員)
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