第一級の比良オロシが終日吹く…広域で現地観察…


風の風景 No.595

11月22日(火)は湖水温よりも気温が高くなり琵琶湖では久しぶりに実景を観測した。
2016年11月23日(水)は、大陸の高気圧が張り出し南下した寒気を伴って未明より強い比良オロシが吹いた。
北小松から湖西道路を経て琵琶湖大橋を経由、湖岸道路から瀬田へ向かう途中、何か所かで立ち止まり、湖面や雲の状態を観察した。
小松浜からは、強風が吹き抜ける湖面向こうに強い下位蜃気楼が見られた。目線高度3mからでも琵琶湖大橋は凸レンズ上になっていた。
琵琶湖の下位蜃気楼は湖面の暖気層と上の寒気層の境界の存在で生じる光学現象であるが、この境界層は強風でも安定に存在することを示している。
湖西道路の木戸や八屋戸付近から湖面を眺めると、ワタリスジ付近より向こうでは湖面は穏やかになっていることが見て取れた。
堅田付近では風も相当弱くなっていると感じられた。琵琶湖大橋を渡り、湖岸道路を南へ進み志那中町から比良山系を眺めると風枕があった。
帰路で昼過ぎに守山市木浜町湖岸道路から琵琶湖大橋・比良山系を眺めると相当強い北の風が吹いてきて湖面は荒れていた。
アメダス南小松の最大瞬間風速は8:00の23.8m/s、ビワコダス北小松観測所の最大瞬間風速は8:00の21.9m/sであった。
強風でJR湖西線は、近江舞子-近江今津間で一時運休や徐行運転がなされた。この影響で湖西線は遅れが目立った。

下図6・7・8に比良オロシが吹く時の各種解析グラフを示す。これまでの比良オロシ調査・研究の最大の2つの成果を要約すると:
(1)地上等圧線の走行が北東から南西に流れる==>45度マジック
(2)比良オロシが強く吹くほど、南東斜面の気圧は風速に比例して下がる。
このようにまとめられます。その理由の解明が、調査・研究の大きな目的です。
※6・8の任意の時間については、下記<参考>の②・③・④・⑤のJavaApplet画像をご覧ください。

番号説明をクリックすると画像が現われます 画面の輝度を明るくしてご覧下さい
強い比良オロシが吹く中、御旅所から風枕と風下波動を観測する
湖西道路志賀ランプ付近から湖上の様子を観察する
湖西道路八屋戸付近から蓬莱・和邇方面の湖面を観測する
草津市志那中町の湖岸道路付近から比良山系を遠望する
昼過ぎに守山市木の浜町湖岸から琵琶湖大橋・比良山系方面を眺める
午前8時に最大瞬間風速を示した時の地上等圧線の流れ…45度マジック?…
琵琶湖周辺の気圧・気温・湿度と北小松の気圧の低下ΔP
シモウェス観測点の風ベクトル・10分平均風・毎10分最大瞬間風速グラフ

<参考>
★多くのブラウザで鑑賞可能です。(PC、iPone、Tablet等)
琵琶湖周辺の風(統合動画)
②ビワコダス・アメダスの気圧・風動画表示は、ここをクリック。
③琵琶湖周辺の気圧・気温・湿度等を知りたい時は、ここをクリック。
④シモウェス比良山麓風動画表示は、ここをクリック。
⑤シモウェス比良山麓気圧・気温・湿度等を知りたい時は、ここをクリック。
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