比良山系が例年よりも遅い雪化粧
風の風景 No.517
今年に入って第一級の寒波が襲来し、2014年1月10日(金)早朝には北小松で15cm程度の積雪をみた。今回の雪は北小松辺りが最多で中雪と思われる。
北小松の里での積雪は、2013年12月28日(土)の10cm程度以来今冬2度目である。
昼過ぎに小松浜へ出て湖面を眺めると、周辺には強い下位蜃気楼が観られた。
下位蜃気楼は四季を問わず観測できる蜃気楼である。湖面近くに暖かい空気の層があり、その上に冷たい空気の層が形成(上冷下暖)される時に起きる。
この層の形成は安定で、風にも殆ど影響されることはなく、時間変化も少ないので観測が容易である。
折り畳み線(Fold Line)で下に反転した倒立像が現れるのが特徴で、多くは浮島現象と呼ばれるが、琵琶湖大橋のような形の場合には凸レンズ状となる。
ひんやりした空気が流入した時ほど、凸レンズの度合いが強くなり、湖面から浮かび上がって見える。
実景の場合も含め、上位・下位蜃気楼の説明には地球の丸さの理解が欠かせない。
下位蜃気楼の時、琵琶湖大橋の凸レンズの幅は、湖面からの観る高さを低くすると小さくなる。これは地球の丸さの顕著な効果である。
下位蜃気楼の下段の暖かい層の厚みは通常1m程度と考えられる。
下位蜃気楼における湖面は屈折の効果により手前になるため、波の動きが増幅されたように見える。
下位蜃気楼が起きる原理を簡単に説明するのために、4では2層モデルを用いて図にした。
実際の空気の気温は上へ行くほど連続的に下がるので、温度分布を仮定した計算機によるシミュレーションを行うことになる。
番号
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1
小松浜から眺める強い下位蜃気楼の琵琶湖大橋方面
2
強い下位蜃気楼:雪化粧した沖島・民家
3
強い下位蜃気楼:能登川方面
4
強い下位蜃気楼:多景島方面
5
強い下位蜃気楼:明神崎方面
6
高島市明神崎から観る琵琶湖大橋方面
7
目線の高さを変えると琵琶湖大橋の形は劇的に変化する
8
階段を2段ずつ下がり、変化の詳細をとらえる
9
下位蜃気楼の簡単な2層モデルによる説明図
<参考>
★多くのブラウザで鑑賞可能です(PC、iPone、Tablet等)。(JavaScript対応)。
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