寒冷前線の通過で強い比良オロシが吹く -湖西線遅延・運休&近江舞子沖遭難発生-
風の風景 No.511
2013年9月4日(水)午後は、
寒冷前線の通過(気象庁天気図)
で午後から強い比良オロシが吹いた。
午後3時前に小松浜へ行くと、北西の比良山系から猛烈な風が琵琶湖へ向かって吹いていた。
湖西線は、午後から夕方まで近江舞子駅~近江今津駅間で運転の見合わせで、代替輸送バスも出て混乱した。
この日は、午後に近江舞子沖で比良オロシにより3人の遭難事故が起きた。
インターネットの記事を引用すると次のような状況で推移した。
4日午後1時20分ごろ、大津市南小松の琵琶湖の沖合約500メートルで、水上バイクで引っ張るゴムボートで遊んでいた会社員ら男性3人が一時、 行方不明になった。大津北署によると、約2時間後に滋賀県の防災ヘリコプターが、沖合約2・5キロまで流された2人を発見。 残る1人も自力で岸に着き、午後8時40分ごろに助けを求めた人を通じ110番し保護された。
男性がたどりついた理容室は、遭難した水泳場から北へ約2・5キロにある。 漂流から約1時間半後、同僚2人は県の防災ヘリに救助された。男性も必死に助けを求めたが気づかれず、 取り残された。捜索する船にも呼びかけたが届かない。強風と荒波で岸がどの方向にあるのかも分からず、 途中で足がつった。流れついた発泡スチロールにしがみついて漂流するうちに明かりが見え、懸命に泳いで 岸に上がったという。
ここで注目されるのは、自力で岸へ着き、助けを求めた男性の動きである。通常遭難者は比良オロシの強風に煽られて沖合に流されるように思える。
2人はそのようになり、2.5km沖合に流された所で2時間後に救助されている。
しかし、もう1人は、風とは反対に北へ2.5kmの北小松北部へたどり着いている。
琵琶湖には環流があり、9月には、明神崎愛知川以北では半時計回りに、以南では時計回りに流れていると推測される。
この時計回りの環流(クダリジオ)が近江舞子・北小松付近では流れていると思われるので、男性はこれにうまく乗れて助かったのであろうか。
この日の比良オロシは夕方になると治まり、午後6時頃から8時頃までは無風に近い状態になっている。これも幸いしたと思われる。
番号
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1
湖西線は強風のため、近江舞子駅~近江今津駅間で運転を見合わせ中
2
北小松セブンイレブン手前の西側に張られた防獣ネットが被害を受ける
3
比良オロシで荒れる湖面
4
近江舞子沖の向こうの琵琶湖大橋は下位蜃気楼。この時遭難事故が起きていた
<参考>
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