台風4号が足摺岬、潮岬を経て静岡の南海上を東進。強い比良オロシが吹き、山頂は特有の風枕と風下波動による雲。


風の風景 No.479

大型で強い勢力の台風4号は、鹿児島、足摺岬、潮岬を経て、2007年7月15日(日)昼前後に東海沖を東進した。当日のビワコダス・アメダス風画像は全県的に強い北西の風を記録した。比良山系には、比良オロシ特有の風枕が山頂を覆い、風下には波動による層積雲が形成されていた。写真中央は北小松御旅所から蓬莱山方面を観た雲の様子である。右端は堂満岳。
小松浜から沖島方面を眺めると湖面は強い北西の風で大荒れに荒れていた。鵜川沖や比良沖、木戸沖では、津巻(ツマキ)【湖面を吹き抜ける強風によって湖上にできる水しぶきの渦:これができる所は風の通り道で限られている】ができているのが湖西道路志賀付近から観られた。
今回注目されるのは、ビワコダス・アメダス風画像で12時前から1時過ぎまで観測された南船路での15m/sにも及ぶ強い比良オロシである。比良山系南部でこのような北西の強い比良オロシが一定時間観測されたのは珍しい。比良オロシのメカニズム解明に一つの知見を与えるデータだと思う。
東海沖通過時に全県的な北西風となったが、強い比良オロシが吹く時は45度マジック(地上等圧線が北東から南西に走る)が満たされていることを今回の観測データも示した。
一方、8月2日(木)から3日(金)には、台風5号が宮崎から大分・山口を経て日本海を北東進した。3日正午頃近畿へ再接近したが、当日のビワコダス風画像を見て分かるように、正午頃までは強い南東の風が全県的に吹いたが、強い吹き返しの北西風はなかった。これは45度マジックが満たされなかったことによる。
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