南岸低気圧が東海沖から関東沖に達し、風枕が形成され第1級の比良オロシが吹き始める


風の風景 No.473

2005年5月2日(月)早朝、低気圧が東海沖から関東沖に達し明け前から比良オロシが強まった。午後7時過ぎには比良山頂に風枕が出ていた。
小松浜へ出かけると、比良オロシの風下波動によると思われる独特の層積雲が岸辺の上に形成されていた。強風が湖面を叩きつけていた。
明神崎を北へとり、高島市安曇川町の青柳北から奥比良方面を見ると層積雲が蛇谷ヶ峰からヤケオ岳方面へ流れているのが見て取れた。
この日はビワコダス風観測によると、午前7時から10時頃まで第1級の比良オロシが吹いた。(動画の詳細はここをクリック)
北小松、栗東、長浜における毎時最大瞬間風速の推移と地上天気図を示す。北小松午前8時16分55秒の23.93m/sが最大であった。
南岸低気圧が東海沖から関東沖へ抜けるときに湖国で発生する強風の吹き方には大きな特徴がある。北小松と長浜の風の吹き方に着目する
と分かるように比良オロシの方が湖北よりも俄に強く吹き始めるということである。
一方、高気圧の吹き出しによる湖国の強風の吹き方はこれとは異なる。湖北が早く比良オロシは遅れて吹く傾向にある。
少し大げさかも知れないがこの事がよく理解されていれば、昭和16年4月6日高島町沖で起きた四高生ボート遭難と平成15年9月15日蓬莱沖で
起きたヨット転覆事故は防げたかもしれない。前者は南岸低気圧型強風であったし、後者は日本海高気圧型強風であった。

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