「天頂環」鮮やか 気象予報士 武田栄夫氏撮影


風の風景 No.421

2月18日(火)早朝の大津市で鮮やかな「天頂環」が現れ、武田栄夫氏によって撮影され、NHKや朝日、京都新聞で大きく取り上げられた。
武田氏に筆者が1月31日(金)早朝に見た幻日との違いを尋ねたところ、次のように違いを解説してくださった。
「幻日は太陽を中心とする大きな環(いわゆる暈)の最北部、最南部、最東部、最西部に当たるところのいずれか(多くは最東部、最西部、見かけ上、もっとも右端か左端)に、あたかもそこに太陽があるかのごとく明るく色づいて見えるものを指します。天頂環(厳密には天頂弧)はこれとは別に太陽の上方、50度ぐらい離れたところに天頂方向を囲むかのような形(つまり太陽に対して反り繰り返った形)で出現します。このことから、「環天頂ア-ク」とも呼ばれます。太陽の下方に出現するものは「水平環」(厳密には水平弧でしょうが)と読んでいます。」
現象が起きる大きな違いは、幻日は太陽光が巻層雲(氷晶)を通過して見える現象であるのに対して、天頂環は太陽光が下から巻層雲(氷晶)に当たりこの反射光を見る現象であるということになる。京都新聞の解説では「天頂環は上空7、8千メートルよりさらに高いところにある巻層雲がプリズムの役割を果たし、下方にある太陽の光を反射して七色の弧を描く。上弦の月のように、通常の虹とは逆向きに現れる。」と記されていた。
20日(木)は低気圧が関東沖に去り、冬型気圧配置が強まり地上等圧線は45度に流れ、全県的に北西の風が強く吹いた。
強風のためJR湖西線が一時運休した。ビワコダ-アメダスデータによると近江舞子では強風が吹いたが、北小松では意外に弱かった。
今回の比良オロシの詳しい考察を行った。参考:今回の寒波の500hPa高層天気図
21日(金)早朝は曇っていたが、高気圧が移動性となって西日本を多い、快晴で見通しがよい澄んだ天気となった。対岸は強い下位蜃気楼。


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