午後になって積乱雲は発達するが湖面は穏やか
風の風景 No.351
8月11日(日)も太平洋高気圧の影響を受け蒸し暑い1日。午前中は曇っていたが午後から晴れ間が見え積乱雲が発達。だが湖面は穏やかでカミからの波もなかった。小松浜水泳場は賑わいを見せていた。今日は遠方の視界もまずまず良かった。
午後4時を過ぎるとカミからの風と波が強まった。例年なら夕方になると日本海高気圧の影響で弱い比良オロシの北西風が小松浜へ吹き下りるのであるが、今年は太平洋高気圧の勢力が強いことを物語っている。
7月20日(土)に関東甲信・東海・近畿・四国地方で梅雨明けして以来、今年は太平洋高気圧の張り出しが日本海にまで及び、7月下旬はカミからの風と波、積乱雲、夕立を殆ど観測しなかった。視界も霞んで悪い日が多く、小松浜から琵琶湖大橋が見えない日が続いた。7月26日は例外的に視界が良かったが...。
だが8月に入って太平洋高気圧が少し後退し、高気圧の縁が近畿辺りに来るようになると、カミからの風の場が強まり、大津から湖北にまで及ぶ強い南西の風をビワコダスは幾たびか記録した。ビワコダス-アメダス動画の天気概況において武田栄夫先生も度々指摘されている。この風は漁師の間ではナガセと言われる夏の風である。今津では通常は南東の風で「鈴鹿方面から琵琶湖を渡ってくる風を指す」が、太平洋高気圧が強いと湖北にまで南西の風となって琵琶湖を北上するようである。
北小松では今津でナガセが吹いている場合でもカミからの風や波を観測することは希である。だが、今年は季節風が強いのか8月に入ってカミからの波や風を観測する機会が増えている。今日もその一例となった。写真に見るように小松浜では南(琵琶湖大橋方面)から吹いてくる。
今年の夏は「太平洋高気圧の勢力と琵琶湖の風」について、ビワコダスは多大なる成果を収めつつある。漁師さんに聞き取り調査をして、ケシキと言い伝えの関係を確たるものに高める必要がある。
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