低気圧の通過で北風に煽られ津巻く湖面


風の風景 No.340

26日(火)琵琶湖では上位蜃気楼の今年の初観測日となったが、湖国に春の訪れを告げる比良八講が大津市と志賀町の琵琶湖一帯で行われた。
京都新聞によると、午前9時半、山伏姿の修験者や延暦寺の僧侶ら約50人が、長等の本福寺から大津港に向けて練り歩いたという。
ホラ貝の音が商店街に響き、住民らが通りに出て一行を出迎えた。大津港で天台座主が行事の無事を祈った後、一行は船に乗り込んだ。
船上では比良山中で事前にくんだ法水を湖面に注ぎ、水の浄化と湖上交通の安全を祈願した。
この後、志賀町南小松の湖岸で護摩法要を行い、参列者らの無病息災を祈願した。
この行事の後、春先に比良山から吹く強い風で湖上が荒れる比良八荒が吹くと、本格的な春を迎えるとされている。
27日(水)は、本州南岸を発達した低気圧が通過し、昨日の穏やかさから一転して嵐のような天候となった。
北小松では低気圧が再接近した9時頃に10分平均風速が最大値を示した。瞬間最大風速は、11時00分26秒18m/sで風向は北北西であった。
11時過ぎに湖岸へ出ると、写真のように湖面は時折突風でツマク(津巻く)景色が見られた。
昨日は穏やかな上位蜃気楼の神秘的な振る舞い。今日は激しい湖上の津巻き。僅か1日の違いで琵琶湖の姿は激変する。
今日の風は比良八荒と言ってよいであろう。春先に何回か比良オロシは吹くであろうが、今日は最初の比良八荒としよう。

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