高島町明神崎白鬚浜のエリ
北小松在住漁師Mさん:北小松には47隻ぐらいの漁船があったわけなんです。ところが、相当の漁獲の減少と、若い人はどうしても漁業をすることがつらいということで、なかなか跡継ぎをしてくれる人がございません。現在では北小松の昔のことを思うと、今、寂れてしもうて底引きをしている人は一人もございません。
むしろ、エリが北小松には7統あるわけでございますけれども、エリは鮎を採るのが専門でございます。エリは昔は皆さんもご承知のように、竹を割ってそれを全部編んでいただいたと聞いています。その当時は魚入師という方がおられて編んでいただいていました。ご承知のように守山のほうで専門的に編んでおられました。私にもそこで編んでいただいた経験がございます。
ところが、近代的ないわゆる漁具が発達してまいりましたので、昔は竹と竹のス(簾)でしたけれども、現在では、それがビニールになって、いわゆるオキダシができるようになりました。ところが、今回はもう網になってきたと。
それからクシですね、我々はクシといっているんですけども、エリグシというんですけれども、それは、FRPの、今、現在、名古屋のほうで製造しておられますニット商事の、これは機械で全部出しますから最高が17メートル。それを全部中継ぎをして深い所はそれを足してやっていると。編むのは自分ところでなんぼでもできますから。そういう格好のなかでやっております。
そういったことで、ここの漁業者もエリを除いたほかは、昔の人も全部陸へ上がってしもうたというのが現実でございます。(注:明神崎のこのエリは北小松の漁師さんがやっています)
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