北湖の上位蜃気楼
デジカメ画像提供&HP作成 琵琶湖地域環境教育研究会
41)2009年5月9日(土)
北小松滝川河口から長時間・広範囲に渡り上位蜃気楼を捉える
発生確認順序 ①近江白浜方面 ②琵琶湖大橋方面 ③守山・野洲方面 ④彦根・能登川方面
5月9日(土)は、真夏を思わせる暑い日になった。午後2時過ぎに南湖で上位蜃気楼発生の連絡を受ける。北小松滝川河口に出向き観測を始めた。北東の風が少し強く、視界は良くはなく、遠くの鈴鹿山地や長浜・米原方面は霞んで見えなかった。琵琶湖大橋や対岸殆どは実景であった。観測点から見た琵琶湖周辺の様子を画像1に示す。(観測を終えた16時36分の様子)
しかしよく観察すると画像2に示すように明神崎向こうの近江白浜付近が板塀状になっていた。この方面の上位蜃気楼を確認できたのは初めてである。「湖面が伸び、景色が縮む」という典型的な変化を経て比較的早く上位蜃気楼は終焉した。
琵琶湖大橋方面は、14時40分頃から変化を始めた。画像3に見るように、太い眉毛状から始まり、両側Z型や中央空洞型、中央反転皿型に移行し、最後は実景に戻った。今日の変化の特徴は、フーチングが殆ど見られず、上位蜃気楼の終焉に特徴的な琵琶湖大橋の縮みや湖面の伸びが見られなかったことである。
画像4には、琵琶湖大橋東に位置するラフォーレ琵琶湖方面の上位蜃気楼の変化をしめす。ラフォーレ琵琶湖にあるプラネタリゥムの上下反転像が観測されたが、このような変化が2度ほど繰り返されていた。
画像5には、雄松崎の向こうに見える堅田・和邇方面の様子を示す。板塀状になるのではなく、上下反転の像ができている様子が分かる。
画像6には、対岸の日本電気硝子能登川工場方面の変化を示すが、会社建物背後から前面へと板塀状化が進行したことが分かる。これと、煙突の煙は湖風を示しており、上位蜃気楼の形成過程を解明する上で重要な情報を提供しているように思われる。
画像7には、対岸の大同川水門方面の多彩な変化を示す。ここは画像6の工場からやや右(南西)方向に位置するが、変化は工場とよく似ている。背後の景色が板塀状になった後、水門が伸びている。これは恐らく反転した像が上に形成されたと思われる。この伸びは短時間に進行し、他の変化に注意が行っていて写真に残せなかった。
画像8には、沖の白石・多景島の変化の様子を示す。島が伸びたり板塀状になったりしているのが分かる。この後、湖面が伸び、景色全体が縮んで蜃気楼が終焉した。
画像9には、ラフォーレ琵琶湖の東側の数分の景色の変化示す。上部に反転像が形成され、下部が伸び、板塀状に進むと予想されたが、元に戻った。
画像10には、日本電気硝子能登川工場南方面の変化を示す。湖岸の景色は実景であるが、背後の陸地部分が板塀状に変化している。
画像11には、琵琶湖大橋東詰料金所・ピエリ守山方面の変化をしめす。板塀状になりかける上位反転像が確認できる。建物にも微妙な変化が見られる。
画像12には、守山・野洲方面の代表例を示す。顕著な板塀状化は見られなかった。
画像13には、荒神山以南の薩摩方面の様子を示す。上下反転像が形成され板塀状化が顕著であった。
このように、時間の経過とともにいろいろな場所で次々と蜃気楼が発生・移動していった。
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1
北小松滝川河口から上位蜃気楼を観測 -琵琶湖(北湖)周辺の景色を概観-
2
明神崎白鬚神社鳥居の向こうの近江白浜方面は板塀状の上位蜃気楼
3
北小松滝川河口より多彩に変化する琵琶湖大橋を眺める
4
ラフォーレ琵琶湖方面の上位蜃気楼の多彩な変化を捉える
5
雄松崎向こうの堅田・和邇方面の上位蜃気楼を捉える
6
対岸の日本電気硝子能登川工場方面は多彩な変化を示す
7
対岸の大同川水門方面も多彩な変化を示す
8
北湖に浮かぶ沖の白石・多景島も上位蜃気楼の多彩な変化
9
ラフォーレ琵琶湖の東の数分の変化 -上部反転像と下部の伸び-
10
対岸の日本電気硝子能登川工場南方面の変化
11
琵琶湖大橋東詰・ピエリ守山方面の変化 -よく見ると上部反転像が-
12
守山・野洲方面の様子 -ほぼ実景であるが部分的に板塀状化形成初期反転像-
13
荒神山以北に続き、以南の石寺町・薩摩・新海浜方面も板塀状化
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