北湖の上位蜃気楼

デジカメ画像提供&HP作成  琵琶湖地域環境教育研究会

37)2009年4月12日(日) 小松浜から眺める沖島、野洲、琵琶湖大橋方面の上位蜃気楼

4月8日(水)から11日(日)まで、南湖では連続して上位蜃気楼が観測されている。12日(日)は日曜日であるので、南湖で蜃気楼発生との連絡を受け、午後2時半過ぎに小松浜へ出向いた。下記画像1に示すように、琵琶湖の湖面は穏やかで、遠くの雲は真夏を思わせる積乱雲が見られた。着いてすぐに沖島方面を眺めると、画像2のように、既に板塀状の上位蜃気楼が見られた。このような状況は、能登川方面にも現れ、画像3のように和田山方面が板塀状になっていた。
この時は、琵琶湖大橋はかなり縮んでいて、画像4に示すように湖面が琵琶湖大橋上部へ迫り、琵琶湖大橋が極めて見にくかった。このような大橋が姿を隠す変化に遭遇したのは初めてであった。画像3の②に見られるように、殆ど琵琶湖大橋は見えない。強いて言うならば、糸のように細く水平線上に縮んでいると言えるのであろうか。このような姿が短時間の内に伸びて、③から⑨へと多彩に変化し、フーチング(橋脚台)が様々な姿を見せた。この後も多彩な変化を見せた。様子を画像5と6に納めた。午後4時前には、野洲方面も板塀状に変化した。この様子を画像7に収めた。
画像8には、琵琶湖大橋西詰にあるイーゴス105の変化を追ってみた。今は稼働していなくなった観覧車であるが、景色の良いときの同じ大きさのイーゴス105を右上に掲載した。湖面が情報へ伸びていることがよく分かる。
画像9には、雄松崎沖の向こうの堅田・和邇方面様子の変化を示す。①は正午の景色でほぼ実景。②以降は湖面が変化していることが、雄松崎の木の位置関係でよく分かる。②では湖面が上方へ伸び、上部の景色が縮んでいる様子がよく分かる。湖面の板塀状化と呼べるのであろうか。
今日の小松浜から観る北湖の蜃気楼の様子は、午後2時半以降では、愛知川以南で上位蜃気楼が観測できた。彦根方面は視界の悪いこともあり、上位蜃気楼の存在はしっかりと確認できなかった。
伴先生によると、今日も大津市のなぎさ公園では上位蜃気楼が観測され、南湖では5日連続で観測がなされた。真夏を思わせる気温上昇と、乾燥した幅の広い高気圧の影響で気圧傾度が緩やかという気象条件が整い、上位蜃気楼出現の条件が整ったように思われる。ただ悔やまれるのは、視界がそんなにも良くなかったということだ。
今日の観測も、琵琶湖大橋を挟んで、大津のなぎさ公園と小松浜から同時に観測することができた。総合して新たな知見が得られるように思う。小松浜から観ている限り、今日は逆転層が湖面上を覆っていなかったように思われる。逆転層は低い所にあり、これが湖面を伸ばす要因になっていたのではないかと思う。

※画像2~8には、画像を見やすくするために、コントラストの画質調整を施しています。
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小松浜から琵琶湖大橋方面を眺める
対岸の沖島方面は板塀状の上位蜃気楼
能登川方面も板塀状の上位蜃気楼が現れていた
湖面が上方へ伸び琵琶湖大橋は一旦姿を隠すが、その後多彩な変化を見せる
琵琶湖大橋のその後の変化 その1 -板塀状から再び太い眉毛状に多彩な変化-
琵琶湖大橋のその後の変化 その2 -縮と共に上位蜃気楼は終息へ-
野洲方面の対岸も板塀状の変化を見せる
琵琶湖大橋西詰にあるイーゴス105の変化を眺める
雄松崎沖の向こうの堅田・和邇方面の変化を眺める

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