北湖の上位蜃気楼
デジカメ画像提供&HP作成 琵琶湖地域環境教育研究会
36)2009年3月21日(土)
高島市明神崎から琵琶湖大橋方面に多彩な上位蜃気楼を観測
この日は夕方に南湖、北湖(琵琶湖大橋方面)で上位蜃気楼が観測された。浜大津のおまつり広場からは、房さんが、明神崎からは(房さんの連絡を受け)松井が観測に成功した。いずれも琵琶湖大橋方面に顕著な上位蜃気楼が出現した。出現時間は、午後4時過ぎから午後5時過ぎの1時間程度で、大きなスケールの多彩な変化をする上位蜃気楼であった。
好天に恵まれたが昼過ぎまで下位蜃気楼が出現しており、小松浜においては、空気がひんやりとし、北東の風が吹いていたので、蜃気楼は出ないと踏んでいた。しかし、午後3時頃には実景に推移し、午後3時半には蜃気楼を予言するように逆転層が琵琶湖の湖面上を覆い始めていた。4時頃には風がなくなり、湖面が凪いでいた。
高島市鵜川のガスステーションでタイヤ交換待ちをしていた私は、16時11分に南湖で蜃気楼を観測した旨の連絡を受け、急いで浜に出て、双眼鏡とデジカメで観測を開始した。
対岸や琵琶湖大橋方面を見ると、上位蜃気楼が既に出ている状況があった。しかし、彦根や沖島方面には蜃気楼の気配はなかった。ラホーレ方面には、倒立した上位蜃気楼が出ていた。この状況を下記の画像2に示す。観測を始めた時は、画像3に示すように、琵琶湖大橋は太い眉毛状になっていた。その後短時間に中央部上部に上下反転の蜃気楼が現れ、時間の経過と共に消滅し、実景に似た風景に一旦戻った。(画像3の変化)
その後の琵琶湖大橋の変化は多彩であった。画像3を時間反転したような変化が中央部上部の反転から始まり、二重反転が現れた後、次第にZ型に移行し、橋脚台(フーチング)が中央に現れる型や板塀状の蜃気楼も出現した。楕円形のイーゴスの形も下部が歪んで飴状のような変形も見られた。時間の経過と共に上下幅が縮まり、蜃気楼の終焉を物語っていた。(画像4の変化)
今回の観測は、琵琶湖大橋を挟んで、大津のなぎさ公園と明神崎から同時に観測するという意味のある調査となった。下記画像4の④は、両方からほぼ同時刻に同じ形の蜃気楼が記録できたことになり、琵琶湖の蜃気楼解明に極めて価値ある記録がもたらされた。明神崎から琵琶湖大橋方面に存在した逆転層の振る舞いについても、貴重な記録が撮れた。
今回の上位蜃気楼の多彩な変化の要因は、東から来る暖気の影響と考えられるが、詳しい考察は今後に委ねられる。じっくりと分析していきたいものである。
画像5には、画像4の拡大写真が閲覧できるようにした。フーチング(橋脚台)の変化が面白い。画像にはコントラストの画質調整を施してある。
画像6には、琵琶湖大橋東にあるラフォーレ琵琶湖方面の上位蜃気楼の変化を追った。白く見える逆転層がホテル屋上付近から降下することにより、上下反転が現れ、さらに板塀状へと変化していき、その後は景色が上下に縮んで上位蜃気楼の終焉を迎える様子が確認できた。
※連絡を受ける前から上位蜃気楼の変化があったと想像される。画像3と画像4が今回の観測における琵琶湖大橋の変化の全てであるが、一旦実景に戻ったことも興味ある変化である。
※明神崎については、
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<天気概況コメント:武田氏>大陸から高気圧が本州上まで移動し、広く西日本をもおおう。終日快晴の上天気。北湖周辺で湖陸風が認められるが、13時ごろから全般に北寄りの風が卓越し、彦根で3~4m/s吹く。夜には長浜で東寄りの風がコンスタントに4~5m/s吹く。
番号
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画面の輝度を明るくしてご覧下さい
1
明神崎から琵琶湖大橋方面を眺める
2
琵琶湖大橋東部にあるラホーレ方面の上位蜃気楼
3
連絡を受け明神崎から琵琶湖大橋方面を観測し始めた初期の変化
4
その後の琵琶湖大橋の上位蜃気楼による多彩な時間変化を追う
5
画像4の拡大写真(①④⑦⑩⑬⑯⑰)-変化の細部を閲覧-
6
ラフォーレ琵琶湖方面(琵琶湖大橋東にある)の変化の詳細 -逆転層の降下による証拠掴んだ?-
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