北湖の上位蜃気楼

デジカメ画像提供&HP作成  琵琶湖地域環境教育研究会

29)2007年5月21日(月) (琵琶湖大橋東詰→南湖、真野→北湖)では上位蜃気楼は観測できず。
      小松浜では終息間際の多彩な上位蜃気楼を観測。

 ヒンヤリとした天気が続き、5月12日(土)早朝の小松浜では顕著な下位蜃気楼が見られた。今日は日本列島全体が移動性高気圧に覆われ好天となった。上位蜃気楼の出現が予想された。午後に琵琶湖大橋東詰から南湖を眺めると、北よりの風が強く、浜大津方面は視界が悪かったが実景であった。
 真野浜へ移動し、湖北方面を眺めると米原や長浜方面は視界が悪く見えず、明神崎や沖島には上位蜃気楼は見られなかった。ここでも琵琶湖からの風が強く感じられた。
 小松浜へ移動し、午後4時45分頃小松浜滝川河口に到着すると、湖面は鏡のように穏やか。よもや蜃気楼は出ていないと思って双眼鏡で対岸や琵琶湖大橋を眺めると、多彩な上位蜃気楼の景色があった。琵琶湖大橋はフーチングがこれまでに見たこともないくらいに大きく、堅田や守山方面は板塀状になっていた。だが、近江八幡以北では上位蜃気楼は見られなかった、すでに終息していたのかも知れない。明神崎もほぼ実景で、その向こうの萩の浜や近江白浜方面がいつもより姿を現しているかなと思えるくらいであった。
 野洲川河口付近を眺めると、板塀状になっていたが、その手前には一つのブイが写っていた。これは大谷川河口沖にあるブイだ。(注:位置の確認は5月26日(土)に湖西線で移動しながら行った。)
 良く見るとこのブイが実像と上下に反転している像の2像から形成されているように思える。だとしたら、この2像の上位蜃気楼を作っている暖気層は大谷川河口沖のブイと観測点(滝川河口)の間にあるということになる。志賀町の沖合は極めて波が穏やかであった。南湖や真野では風が強く、上位蜃気楼が観測できなかったが、風が穏やかな志賀町では上位蜃気楼が見られた。このことは、琵琶湖における蜃気楼出現の原因である暖気層形成メカニズムの解明に大きな示唆を与える。実景が見られるときのブイを撮り、今日の像と比較検討することが必要である。近いうちに行おうと思う。
 今日の午後は、気温は上昇23℃くらいまで上昇した。この日のビワコダス風画像は日中は顕著な湖風が全県的に吹いた。烏丸半島や浜大津方面でも北東の風が吹いており、南湖で発生しても不思議ではない風の場だった。志賀町の比良山麓では午後4時から5時過ぎまでは弱い北東の風。湖北では午後3時過ぎからは、高気圧の背後に当たる東南東の風が強まった。伴先生によると、今日は魚津でも鮮明な蜃気楼が発生したようだ。

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北よりの強い風が吹く南湖 -琵琶湖大橋の向こうは比良山系(南部)-
琵琶湖大橋東詰から浜大津方面を眺める -北風で湖面にはさざ波が-
琵琶湖ホール付近を10倍ズームで眺めるが、上位蜃気楼の気配はない -湖面付近の視界は悪い-
真野の湖岸より湖北を眺める -琵琶湖から吹いてくる風を強く感じた-
沖島を10倍ズームで眺めるが、上位蜃気楼の気配無し -琵琶湖からの風は強く、波も荒い-
小松浜滝川河口へ辿り着くと湖面は鏡のように穏やか -右手は雄松崎-
フーチング(橋脚台)が異様に大きく、中央橋桁は細く、左は太く、右の堅田方面は板塀状
守山市今浜町方面は板塀状 -左:ラホーレ琵琶湖 右:リゾートマンション-
10倍ズームで野洲川河口方面を眺める -中央に移るブイ(比良沖)は倒立反転?-
10明神崎は実景の模様
11定点の小松浜に移動し観測。湖面が遠くへ伸び、上下差がなくなった琵琶湖大橋 -上位蜃気楼の終息期-

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