北湖の上位蜃気楼

デジカメ画像提供&HP作成  琵琶湖地域環境教育研究会

26)2007年4月29日(日) 午後3時半頃小松浜を訪れるとスケールの大きい上位蜃気楼を観測

午後3時半頃小松浜を訪れた。昨日は寒気の影響で雷や俄雨、突風の異常な天候となったが、今日は朝から好天に恵まれた。浜で湖面付近の大気の様子を眺めると、逆転層を確認できなかった。対岸の沖島や能登川方面は実景であった。
双眼鏡を取り出して琵琶湖大橋方面を眺めると、明らかに蜃気楼が起きていた。道路からみる限りでは顕著ではなかったが、砂浜に降りて湖面に近づくと上位蜃気楼の複雑な変化が見られた。今日の変化は、2001年5月13日に初めて筆者がとらえたものに次ぐ大きなものであった。ヘイズの影響で視界がやや悪いが、デジカメで93枚の画像を記録することができた。
琵琶湖大橋の変化は、画像に示した通りであるが、上位蜃気楼は岡山以南でしか見られなかった。以北でも観測以前に出ていたのかは不明である。観測時間が午後3時半から20分程度だから、消滅していた可能性もあるし、もともと出ていなかった可能性もある。北湖の蜃気楼は北から南へと移っていく場合も多い。
午後4時過ぎに伴先生と連絡をとったが、南湖では発生していないという。4月29日(日)(昭和の日)は移動性高気圧が日本を覆い、気温は20℃以上に上昇した。この日のビワコダス風画像は北湖では「弱い湖陸風気味」であるが、浜大津方面では北東の風ではなく南西の風が吹いていた。風の違いにより、南湖では出現しなかったと考えられる。これについては、伴先生とも協議しながら、今後検討する課題である。

番号説明をクリックすると画像が現われます 画面の輝度を明るくしてご覧下さい
小松浜から琵琶湖大橋方面を眺める -逆転層の靄の層はないが、上位蜃気楼が進行中-
小松浜から対岸の沖島方面を眺める -この景色以北では上位蜃気楼は観られなかった-
道路に立って眺めると湖面が伸び、普段見えない東側の橋脚が浮き上がっていた
三上山方面の対岸は板塀状に変化 -岡山以南は既に蜃気楼化-
砂浜の中央部に降りて観測すると、琵琶湖大橋中央部が太く変化していた
湖面近くに立つと、琵琶湖大橋は中央部両端が複雑に変化
上位蜃気楼は「生き物」だ! 複雑な変化が続く -中央部は細く、両端はZ型に変化-
堅田方面も板塀状に変化 -右端は雄松崎-
琵琶湖大橋中央部東に大きなZ型が出現 -右側上部にも倒立像が見える-
10左右対称なZ型が出現 -刻々と変化する琵琶湖大橋-
11雄大な上位蜃気楼!! -綺麗なZ型琵琶湖大橋 中央部が極端に細い-
12琵琶湖大橋東側に顕著な倒立像が見られる
13上部橋桁全体が細くなる -湖面が伸び、琵琶湖大橋の高さが均一になる-

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