北湖の上位蜃気楼

デジカメ画像提供&HP作成  琵琶湖地域環境教育研究会

24)2005年5月20日(金) 上位蜃気楼出現

この日の朝は、まだ午前7時過ぎだというのに、小松浜から見る湖面上には逆転層の存在を示す薄い靄の層があった。この層は北湖全体に広がっていた。これが現れる時は琵琶湖上の空気層は逆転層による閉鎖系で、上位蜃気楼が現れやすい条件になっていると考えられる。しかし、この日は薄曇りで、気温の上昇はあまり期待できなかった。
昼過ぎに明神崎から琵琶湖大橋を見ると、両端は上位蜃気楼かしていた。大津市真野浜からは、初めて安曇川や船木崎方面の上位蜃気楼を観測した。真野浜から船木崎までの距離はおよそ25km。地球の丸さで50m程沈むことから、実景では真野浜から船木崎は極めて見にくいのが通常である。それが上位蜃気楼の効果により姿を顕著に表していた。
大津市なぎさ公園から見る琵琶湖大橋は、顕著な上位蜃気楼を見せていなかったが、東側の橋桁が太くなり、弱い上位蜃気楼を示していた。
翌5月21日(土)は快晴の天気に恵まれ、ビワコダスは湖陸風の存在を示しているが、逆転層や上位蜃気楼は現れなかった。湖面上の大気が閉鎖系とならず、開放系となっていたと考えられる。一般風がなく、湖陸風が吹く20日と21日であったが、閉鎖系、開放系の状態を何が決めているのかは、まだ未知の問題である。20日は湖風が顕著になる前の早朝の段階から逆転層が存在していた事実を考えると、閉鎖系となる条件は湖風の存在とは無関係に起こっているといえそうだ。

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地図で示す5月20日の観測ポイント観測
早朝の小松浜で湖面上に逆転層の靄の層を確認。琵琶湖大橋は下位蜃気楼
正午の白鬚浜でも逆転層を確認。沖の白石、多景島は実景
明神崎からは琵琶湖大橋が上位蜃気楼化
小松浜から見る琵琶湖大橋は下位蜃気楼気味
真野浜から見る船木崎方面は上位蜃気楼化
大津市なぎさ公園からは琵琶湖大橋が上位蜃気楼化

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