今津町南浜からみる今年初めての上位蜃気楼

デジカメ画像提供&HP作成  琵琶湖地域環境教育研究会 松井 一幸

1)2003年2月10日(月) 北湖竹生島周辺の様子


伴先生の解説
 上位蜃気楼は「きまぐれ者」である。「気温の逆転層」が形成されていても上位蜃気楼が必ず現れるというものではない。この日滋賀県高島郡今津町南浜に訪れて、湖上一面に「気温の逆転層」が形成されている様子がひとめで分った。この画像中央付近、水平線上部や対岸の陸地・島の水面近くには帯状になった気温の逆転層が写っている。
 2月10日に約一年ぶりに姿を現わした上位蜃気楼は観測史上初の早期発生である。通常、「蜃気楼」という言葉には、「上位蜃気楼」という意味合いが含まれる。逃げ水や浮島現象のような下位蜃気楼とは異なった気象光学現象である。
どちらの蜃気楼にしても肉眼ではよく判らず、双眼鏡による観察が必要である。昔の文献に登場する蜃気楼の図の中には、非常に精密に書かれたものもあり、昔は空気がきれいで人々の視力もよかったのかもしれない。文明の発達した現在は、都会から離れた場所でも空気が汚れていることは確かなことである。


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