琵琶湖大橋の橋脚支持台(footing)が見えた

デジカメ画像提供&HP作成  琵琶湖地域環境教育研究会 松井 一幸

14)2002年7月7日(日)8日(月) 北小松から眺める琵琶湖大橋はfootingを見せる

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1琵琶湖大橋の橋脚支持台(footing)

松井の観察日記
2002年7月7日(日)は、二十四節気の小暑。七夕でもあった。朝鮮半島に進んだ台風5号は勢いが衰えて温帯低気圧になり、西日本付近は概ね太平洋高気圧におおわれた。朝の琵琶湖大橋は小松浜から橋脚支持台(footing)が見えた。午後は霞が強くなり見にくかったが、終日footingが見られた。
8日(月)は梅雨前線が日本海岸沿いに停滞し、太平洋高気圧の縁辺を回り込む暖湿流が西日本付近へ流入して、終日どんよりした空模様で弱いにわか雨が降った。早朝は霞が強くfootingは確認できなかったが、夕方は昨日同様footingが確認できた。
雄松崎にあるエリの竿の位置と比較すると、水平線は午前中は下がり午後は上がることがはっきりと確認できる。これは示唆に富む観測事実の一つとなり、湖上の気温分布に関する知見を与えてくれるものであろう。希にしか見えない琵琶湖大橋の橋脚台(footing)が7月に入って見える日が増している。通常水面下に隠れている部分が浮き上がったものでLoomingと呼ばれる蜃気楼現象である。橋脚支持台(footing)の出現は、多彩ではないが地味な上位蜃気楼と言えるであろう。

注2)7月に入ってfooting(橋脚支持台)が出現する日が増している。2001年8/15以来の定点観測では、大半は下位蜃気楼で、実景や上位蜃気楼は少ない。これまでに橋脚支持台をとらえているのは、2001.9/15、2002.3/28、4/4、4/5、5/25、5/26、7/2、7/7、7/8の計9回となっている。出現の気象条件については追って考察する予定。

注2)Footingについて---伴先生とのメール(2002.7.14.)から引用
Footingとは添付しました画像のように琵琶湖大橋などの橋脚などの根元にある基礎で、地盤に安全に支持されるように底が拡大した部分です。土木工学ではフーチング(Footing)といっているようです。私はこれを「橋脚の土台」とよくよんでいたのですが、フーチングでは意味が伝わりにくいし、橋脚の土台では素人的な言い方になるし・・・と蜃気楼フォーラム前に第四教務室でブツブツ言っていたら、N氏曰く「それは“橋脚支持台”といったらどうかね」といわれたので、その名前をそく採用、その他、船を繋げて置く杭についても悩んでいましたら、N氏が「船舶繋留杭」でいいんじゃないとおっしゃったので、これも採用決定!でした。
一方、水平線に隠れた部分が見え出して浮上がって見える現象は Looming(ルーミング)といいます。蜃気楼関係の扱った海外の論文では「ぼーっと浮上がって見える」というニュアンスで使われています。私の手元に詳しい英語の辞書がないのですが簡易な辞書は「Looming=ぼんやり現れること」とあります。その他、伸びること(Towering/タワーリング)、沈みこむこと(Sinking/シンキング)、縮むこと(Stooping/ストゥーピング)という意味で論文などに使われているようです。

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