根室の蜃気楼(北海道根室市)

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【根室の蜃気楼の紹介】
  
 南極の蜃気楼写真を提供してくださった、第36次南極地域観測越冬隊員であり現気象庁勤務の宮内誠
司から根室測候所勤務時代に撮影された「国後島が蜃気楼化」した写真をご紹介します。また、宮内さんに
ご無理を願って蜃気楼発生時の詳しい様子をいただいておりますので、合わせてご紹介いたします。とても
貴重な報告と写真であります。
 ここで提供していただいた写真は、「琵琶湖の蜃気楼写真」のなかの「水平線に隠れた風景を見せる蜃気
楼」と同種の遠方の蜃気楼にあたります。遠方(地図参照)でありながら鮮明な状態で現れています。琵琶
湖や富山湾でも鮮明な状態で蜃気楼が現れることは、まれです。
 写真の「国後島の実景」の白色の矢印と「蜃気楼化した国後島」の黄色の矢印や赤色の矢印を比較すれ
ば、蜃気楼化した部分がよく分ります。

 

<根室から国後島までの位置関係と羅臼山までの距離>
nemuro_map.gif (55273 バイト)

 

■ 根室の蜃気楼写真
nemuro_no_sinkirou.jpg (67808 バイト)
 蜃気楼化する前の(白色の矢印部分がしめす)国後島と蜃気楼化した国後島を比較すると、黄色の矢印が示す部分は2像型(よく見ると3像型)の蜃気楼、赤色の矢印が示す部分は板塀状になる蜃気楼とになっていることが分ります。

「撮影:宮内 誠司 北海道根室にて」

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■ 根室の蜃気楼の詳細
  ※ 宮内 誠司さんからいただいた蜃気楼発生時の様子です。
<根室の蜃気楼について>
1)撮影年月日と時間について
  「国後島の蜃気楼」1988年7月21日11時50分頃の撮影です。
  「比較の実景」は1988年10月、日時は記録していません。
2)発生当日の天候・気象状況について
  当日は晴れていて爽やか、上層雲(巻雲)が少しあった程度と思います。
  風も弱く穏やかでした。
3)撮影倍率について
  12倍、35mmカメラで600mmレンズ相当です。
4)撮影場所及び蜃気楼化した物体の所在地について
  根室市街の中心にある根室測候所の屋上(当時は2階建て)から、真北方向を撮
 影。国後島は根室から約50km離れており、蜃気楼化している山は約70km離れた羅臼
 山(888m)と思います。
5)根室での蜃気楼の発生頻度と発生しやすい気象状況について
  根室では珍しいことだと思います。よく調べたわけではありませんが、当時の職員も
 発生例を知らなかったし、「蜃気楼有情」にも書いていませんし、私が根室に勤務して
 いた2年間でただ一度のことでした。
  富山の蜃気楼などに比べ撮影場所も蜃気楼も比較的位置が高いので、蜃気楼を見
 せる気温逆転層はだいぶ高い場所にできていたのでは、と想像します。
6)蜃気楼写真についての簡単なコメント
  当日は11時45分頃国後島の形が変形していることに気付き、12時30分頃まで撮影
 していました。最後の方はかなりぼやけてきていたように思いますが、最後まで見届け
 たわけではありません。

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