琵琶湖湖岸に設置された観測装置
■ 琵琶湖の蜃気楼の解明のために 今年(2003年)4月から、琵琶湖蜃気楼研究会と富山大学教育学部市瀬研究室との共同研究として、 なぎさ公園おまつり広場(大津市中央4)の湖岸に気象観測装置を設置しました。現在も、琵琶湖湖上や 湖岸周辺の気象観測を行っている機関からデータ提供を受けていますが、蜃気楼発生の気象状況を解 明するためには特定の場所の気象データが必要でした。今後も、琵琶湖の湖岸周囲に気象観測装置を 設置していく予定です。富山大学教育学部市瀬研究室は、魚津(富山県)の蜃気楼を数年前から研究し ておられ、数々の研究成果を気象学会等で発表されております。今回、琵琶湖蜃気楼研究会に強力な 助っ人が現れたので、「鬼に金棒!」です。上位蜃気楼が発生する魚津、琵琶湖の地域以外もあります。 上位蜃気楼が発生する地域で同様に定点観測できる気象観測装置を設置していけば、謎の多い「蜃 気楼の発生メカニズム」の完全解明が実現することと思います。 (蜃気楼発生が発生する複数のエリアで定点観測(気象状況)をすることは大変珍しいことだと思います。)
なぎさ公園おまつり広場の湖岸に設置された気象観測装置
写真中央にある「棒の先端の白い容器」は、富山大学教育学部位市瀬研究室が設置した気象観測装置です。この装置で気温と水温を測定し、長期間記録できます。記録されたデータは定期的に回収し、データをパソコンに吸い上げます。今後、このような装置を琵琶湖南湖の湖岸に順次増やしていく予定です。
■ 富山大学教育学部市瀬研究室が琵琶湖の蜃気楼を研究対象にした理由 富山大学教育学部市瀬和義教授は物理がご専門です。魚津の上位蜃気楼に興味を持たれて、数年前 からご自身の研究以外にも学生の卒業研究のテーマにもされています。今年、市瀬教授の研究室に滋賀 県出身の本庄薫君という大学院生が配属なりました。本庄君(下の写真)は滋賀県彦根市出身で富山大 学教育学部で理科教育を専攻し、将来は中学校の教員志望です。本庄君は自分の出身地の滋賀県でも 琵琶湖に蜃気楼が出現すると知り、修士論文のテーマに「琵琶湖の蜃気楼と理科教育」を選んだのです。 今後もデータ回収や蜃気楼観測をしにしなぎさ公園に現れることと思います。蜃気楼発生シーズンは、富 山となぎさ公園の往復を頻繁にすることと思います。琵琶湖の蜃気楼の発生メカニズムを解くカギは、彼 の手にかかっているといっても過言ではありません。なぎさ公園で見かけたら、蜃気楼について質問して みて下さい。丁寧に答えてくれることと思います。
琵琶湖の蜃気楼を卒論に選んだ本庄薫君
本庄薫君は滋賀県彦根市出身で、現在富山大学教育学部大学院で理科教育を専攻する1年生です。
彼が身につけているものが、蜃気楼観測に必要な機器とスタイルです。双眼鏡、デジカメ、ビデオカメラ(何れも高倍率のテレコンバーター装着して撮影します)、三脚、記録用紙などの他、
長時間日光に照らされるので日焼け対策として、長袖、麦わら帽子、タオル(首の日焼けを帽子)も必須アイテムです。
この日(2003年4月29日)初めて、琵琶湖で上位蜃気楼を観測できて満足そうな顔をしていますが、喜びもつかの間!観測終了後、明日の講義の為に富山へ急いで帰って行きました。