■ 琵琶湖における蜃気楼研究 最前線(2005年3月5日)
今回初めて、滋賀県で蜃気楼に関する研究会が大津市生涯学習センターの学習室で実施されました。
この研究会は蜃気楼を研究している富山大学市瀬和義教授の呼びかけで実現しました。当日は、櫻井
醇児(富山大学名誉教授)氏、木下正博(富山県立滑川高等学校教諭)氏、武田栄夫(元日本気象協会
彦根支部長)氏、戸田孝(琵琶湖博物館学芸員/湖沼物理学)氏の他一般の方々を含め25人の参加が
ありました。蜃気楼のメッカ魚津(富山県)では、蜃気楼に関する研究報告会や学習会が以前から行われ
ていましたが、滋賀県では初の試みでした。そのため、県内のマスコミからの多数の取材があり、翌日の
新聞(3月6日付朝刊)では京都新聞滋賀版、中日新聞滋賀版、毎日新聞滋賀版の3紙で報道されるとと
もに、NHKの関西地域で朝2回ニュースとして報道されました。
報告としては「琵琶湖における蜃気楼現象」、「琵琶湖の蜃気楼における発生理由」、「北湖における蜃
気楼」の3つがありました。この報告の合間には、参加者された方対象に琵琶湖南湖で撮影された蜃気
楼写真の展示と解説がおこなわれました。また、3つの報告後には総括討論として「琵琶湖における蜃気
楼研究の到達点と課題」について話し合いをしました。
今後も蜃気楼に興味・関心をもたれる方対象に説明会や現地(定点観測地/なぎさ公園おまつり
広場)での観察会などを実施したいと考えております。
富山大学教授 市瀬和義(物性物理学)氏より、この研究報告会開催のあいさつがおこなわれました。
伴 禎(当研究会)より「琵琶湖における蜃気楼現象」というタイトルの報告がおこなわれました。蜃気楼の種類、原理などの説明の他、過去10年の定点観測から見た琵琶湖での蜃気楼の出現傾向の報告、琵琶湖で撮影された蜃気楼のビデオ上映とその説明などがありました。 |
富山大学大学院教育学専攻科2年生の本庄 薫氏からは「琵琶湖の蜃気楼における発生理由」というタイトルの報告がおこなわれました。蜃気楼の種類、原理、琵琶湖南湖でのこれまでの観測結果の概略説明、今回の研究で新たに気象観測機器を設置したことやデータ解析を行った結果による蜃気楼の発生メカニズムについての報告、蜃気楼現象のッ教材化についての報告などがありました。 |
松井一幸(琵琶湖地域環境教育研究会)氏からは「北湖における蜃気楼」というタイトルの報告がおこなわれました。北小松(滋賀県滋賀郡志賀町)の浜から琵琶湖北湖に出現した蜃気楼の観測報告をビデオやデジタルカメラによる画像などを使って報告されました。 |
この研究報告会では、房 英夫(当研究会)氏が琵琶湖で撮影した蜃気楼写真の展示もおこなわれました。各研究報告の合間には、参加された方が房氏により撮影された写真とその説明を熱心に聞いておられました。 |