1994年9月29日&30日 台風26号 琵琶湖縦断


 3点観測体制が整った僅か10日程先の1994年9月29日には、滋賀県を台風26号が縦断する という機会を得た。
このとき、大川が東京前川科学のパソリカを用いて気圧、湿度、気温を別のパソコンで測定した結果がはじめの画像である。
気圧は11時頃に969hPaと最も低くなり、台風が接近したことを物語っている。
湿度や気温についても非常に興味ある結果が得られた。
 後の図は、北小松、長浜、栗東の風観測データを元に、松井が1枚のベクトル風画像にしたものである。
 風向の水色に注目すると、栗東は東→北→西→南へと反時計回りに変化していることが分かる。北小松も同様である。
 ところが長浜は、東→南→南西へと時計回りに変化している。
これは、台風26号が、栗東、北小松に対しては東のコースを、長浜に対しては西のコースをとったことを示している。
なぜなら台風の中心に吹き込む風は、反時計回りだからである。
 風向と風速の急激な変化から、栗東は23時10分頃、北小松は23時30頃、また長浜は午前零時 頃最も接近していることが分かる。
左のベクトル画像は、台風が左回りの渦になっていることを如実に物語っている。
風の吹き方について言えば、栗東や長浜は台風接近前がより強風であるのに、北小松では比良山の影響で通過後の比良下ろしの方が強いことが分かる。
この現象は地元では、台風の吹き返しとして恐れられている。



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