ビ ワ コ ダ ス へ の 展 望

(タイトルをクリックすればジャンプできます)
    ( 1) はじめに
    ( 2) 開発の現状
    ( 3) 集配システムの風データベース
    ( 4) ビワコダス・ゲートウエイ
    ( 5) 他の気象要素について
    ( 6) 風観測網の設置について
    ( 7) 連帯感を育む観測網でありたい
    ( 8) みんなで作ろうビワコダス
    ( 9) 最大風速の記録について
    (10) 展示はアイデアの宝庫
    (11) 台風26号風画像表示の工夫から
    (12) 風観測システムのデータと気象庁
    (13) 広域気象情報収集展示システム
    (14) 琵琶湖地域気象情報収集展示システム

                      1994.9.21.~10.8 KOMATU NetにUpしたもの
                      琵琶湖地域環境教育研究会   松井 一幸

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☆-- BD0 MSG [ 3156] ------ / KOMATU NET / 1994-09-21 / 21:08:41 / ------☆
ビワコダスへの展望(1)

はじめに

 栗東観測所がスタートして以来、合間をぬっていろいろなことを考えてきました。書き下
ろし的なまとめになりますが、「ビワコダスへの展望」と題して私の構想を展開してみたい
と思います。

1.ビワコダスのシステム概要
 全体のシステムは、以下のような5つのサブ・システムから構成されます。各内容は以下
のようになります。

1)風観測システム……子システム
  風観測を行いながらBBSを共存させるシステムで、観測局を担当するシステム。これ
により、風データの測定、保存、蓄積が行えると同時に、外部から電話回線を通じて自由にデ
ータのやりとりができるシステム。KOMATUネット、長浜風ネット、栗東風ネットでは
既にこのようなシステムが稼働している。風観測のみならず、BBS機能を駆使して、地域
に根ざした気象情報の交換や幅の広い調査・研究を推進するための中心的な役割が期待され
る。

2)風収集システム
  子システムに蓄積された風データや地域情報を、電話回線により吸い上げるシステム。
観測局のデータのバックアップを兼ねながら、各観測局のデータを自己のデータベースに内臓しながら
データの分類を行い、用途に応じたインデックスを持ち、展示システムの機能強化を目的とする。
【主な機能】 A)必要な時刻に子局へアクセスしデータを吸収する
       B)データの解釈を行いインデックスを付ける
        ・湖陸風 ・季節風 ・温暖前線の接近 ・寒冷前線の接近
        ・台風の接近    ・各種の琵琶湖地域特有の風パターン

3)風展示システム
 風データを画像表示して分かり易く展示するシステム。
 A)リアルタイム風画像 … 各風観測システムにアクセスして1秒毎にリアルタイムな画像を表示。
 B)データベース風画像… 風収集システムに蓄積・分類保存された風データを画像表示。
           ・各観測局24時間風画像、48時間風画像。連続表示も可。
           ・各観測局月刊風画像
           ・全観測局1日分同時表示風画像

4)広域気象情報収集展示システム
 気象庁から送られてくる広域な気象情報を集め、データベース化すると共に、展示するシステム。
  A)ひまわり雲画像(全球画像、日本付近画像)
  B)気象FAX画像 ・雲画像 ・地上天気図 ・高層天気図 ・気温分布 ・天気予報等

5)琵琶湖地域気象情報収集展示システム
 地域の気象に関係する生活風土から題材を取り上げ、ビデオ画像や写真で展示すると共に、
各観測システムのBBS情報を発信源として気温や降水、冬場の積雪情報等を展示できるよ
うにするシステム。
 A)写真、ビデオによる近江の気象画像
 B)昔から言い伝えられている気象現象の展示
 C)リアルタイムBBS気象情報

P.S.第1回の今日はここまでとします。この連載シリーズでは、私個人の考えに基づい
て、いろいろな角度からビワコダスへの夢と希望の実現を目指して語りたいと思います。毎
日と言う訳にはいきませんが、考えがまとまった段階で持論を展開して行きたいと思います。
この構想は博物館のビワコダス構想を拘束するものではありません。あくまで私の試案を展
開するものに過ぎません。思っていることを自由に書いていきたいと思います。皆様のいろ
いろなコメントをよろしくお願いします。


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☆-- BD0 MSG [ 3181] ------ / KOMATU NET / 1994-09-24 / 22:12:25 / ------☆
ビワコダスへの展望(2)

開発の現状

1.風システム全体の概要
====================     -------------------- RS-232C ///////////////////
| 風観測システム | →→→→ |         | →→→→ |         |
|         | 電話回線 | 風集配システム | または | 風展示システム |
|長浜・北小松・栗東| ←←←← |         | →→→→ |         |
====================     -------------------- バスライン ///////////////////

2.個々のシステム概要
1)風観測システム
 ・1994.09.24.現在では、北小松、長浜、栗東の3観測局を運用
 ・BBS……フォア・グラウンドでは「BBS(パソコン通信ホスト)」を運用
       MSGでいろいろな情報交換がなされている
 ・風観測……バック・グラウンドでは「TSR」による毎秒の常駐観測
GRAMに毎秒のデータが蓄積され1時間毎に平均しファイル保存
       午前零時になると全日の1分平均風データを10分平均しBD4に蓄積
 ・各種コマンドで風データを引き出せる
  WIND …… 風データベースのBD4へ(10分平均風データの自動蓄積 → 風データベース)
       観測開始日からの任意の10分平均風データを引き出せる
  WDY …… 前日の1分平均風データ
  WDT …… 本日の1分平均風データ
  WDR …… 現在時の1分平均風データ
  WD10 …… 本日の10分平均風データ
  WDS …… リアルタイムの1秒毎の風データ
  WDM …… 毎時間における最大瞬間風速情報

2)風集配システム
 ・各風観測局にアクセスしてBD4から10分平均風データを取り込む
 ・データを集配システムのデータ・バンクに格納、統合管理する
 ・指定された項目に従ってデータを配送する
  A)指定された日付
  B)指定された特徴を持つ風の検索とデータ配送

3)風展示システム
 ・TJTERM  … 風観測システムから電話回線で直接風データを受け取り画像表示
 ・WDLOOKER … 各観測局の10分平均風データを連続画像表示
 ・WD48HOUR … 各観測局の1分平均風データを2日連続表示
 ・WDMONTH … 各観測局の月刊風画像
 ・TJ3POINT … 長浜、北小松、栗東の同じ日の10分平均風データを同時風画像表示
 ・NEW_TJ  … 新しい地図上に3点同時風画像表示

3.進捗状況と次回ビワコダス研究会
  1)と3)は記述したことが殆ど実現している。2)の集配システムについてはやっとA)ができた
段階で、正念場はこれからの作業となる。来年度の滋賀大会の展示の広場で成功を修めるに
は、見栄えのする展示へと高める必要がある。そこで10月8日(土)のビワコダス研究会
では、現在でのシステムの概要を見ていただくことにして、皆様のアドバイ スを仰げたら
なと思っています。ご指導よろしくお願いします。


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☆-- BD0 MSG [ 3187] ------ / KOMATU NET / 1994-09-25 / 20:25:35 / ------☆
ビワコダスへの展望(3)

集配システムの風データベース

1.風集配システムにおける風データベース
 風観測システムは10分平均風データをBD4の独自のデータベースに日々蓄積している。集配システムは各観
測局にアクセスし、日々のデータを取り込んで、自己のデータベースに格納する必要がある。今日は手
動でアクセスしたログファイルから必要なデータを切り取り、各データベースに格納するプログラム開発を行い
完了した。

A)風集配システムにおける具体的な風データベース構造
 1)KOMATUネット KMKAZE4.DAT, KMKAZE4.NDX, KMKAZE4.TTL
 2)長浜風ネット NGKAZE4.DAT, NGKAZE4.NDX, NGKAZE4.TTL
 3)栗東風ネット RTKAZE4.DAT, RTKAZE4.NDX, RTKAZE4.TTL
 注)これは、それぞれのネットがBD4に有しているデータベースと同じものである。

B)各ネットにおける10分平均風データ登録一覧
★★★ 滋賀県滋賀郡志賀町北小松 風観測データ・ベース 登録一覧表 ★★★
 【1991年】【1992年】【1993年】【1994年】【1995年】
  DATA No DATE DATA No DATE DATA No DATE DATA No DATE DATA No DATE
  [  1] 12-15 [ 18] 01-01 [ 384] 01-01 [ 749] 01-01 [1114] 01-01
         [ 49] 02-01 [ 415] 02-01 [ 780] 02-01 [1145] 02-01
 '91年12月15日 [ 78] 03-01 [ 443] 03-01 [ 808] 03-01 [1173] 03-01
  観測開始。右 [ 109] 04-01 [ 474] 04-01 [ 839] 04-01 [1204] 04-01
  データ番号参考 [ 139] 05-01 [ 504] 05-01 [ 869] 05-01 [1234] 05-01
  にRコマンドでデ [ 170] 06-01 [ 535] 06-01 [ 900] 06-01 [1265] 06-01
  ータをダウンロード [ 200] 07-01 [ 565] 07-01 [ 930] 07-01 [1295] 07-01
  可能。当日の [ 231] 08-01 [ 596] 08-01 [ 961] 08-01 [1326] 08-01
  風はWD10コマンド [ 262] 09-01 [ 627] 09-01 [ 992] 09-01 [1357] 09-01
  が便利。著作 [ 292] 10-01 [ 657] 10-01 [1022] 10-01 [1387] 10-01
  権者:KOMATU [ 323] 11-01 [ 688] 11-01 [1053] 11-01 [1418] 11-01
    m(^_^)m [ 353] 12-01 [ 718] 12-01 [1083] 12-01 [1448] 12-01

 ★★★ 滋賀県長浜市加納町 風観測データ・ベース 登録一覧表 ★★★
 ようこそ!! 【1993年】【1994年】【1995年】【1996年】
 BD4へ!  DATA No DATE DATA No DATE DATA No DATE DATA No DATE
         [  1] 01-01 [ 366] 01-01 [ 731] 01-01 [1196] 01-01
 '93年01月01日 [ 32] 02-01 [ 397] 02-01 [ 762] 02-01 [1227] 02-01
  観測開始。右 [ 60] 03-01 [ 425] 03-01 [ 790] 03-01 [1256] 03-01
  データ番号参考 [ 91] 04-01 [ 456] 04-01 [ 821] 04-01 [1287] 04-01
  にRコマンドでデ [ 121] 05-01 [ 486] 05-01 [ 851] 05-01 [1317] 05-01
  ータをダウンロード [ 152] 06-01 [ 517] 06-01 [ 982] 06-01 [1348] 06-01
  可能。当日の [ 182] 07-01 [ 547] 07-01 [1012] 07-01 [1378] 07-01
  風はWD10コマンド [ 213] 08-01 [ 578] 08-01 [1043] 08-01 [1409] 08-01
  が便利。   [ 244] 09-01 [ 609] 09-01 [1073] 09-01 [1440] 09-01
  著作権者:  [ 274] 10-01 [ 639] 10-01 [1103] 10-01 [1470] 10-01
  長浜インター [ 305] 11-01 [ 670] 11-01 [1134] 11-01 [1501] 11-01
    m(^_^)m [ 335] 12-01 [ 700] 12-01 [1165] 12-01 [1531] 12-01

★★★ 滋賀県栗太郡栗東町霊仙寺 風観測データ・ベース 登録一覧表 ★★★
 【1994年】【1995年】【1996年】【1997年】【1998年】
  DATA No DATE DATA No DATE DATA No DATE DATA No DATE DATA No DATE
  [  1] 09-17 [ 107] 01-01 [ 472] 01-01 [ 838] 01-01 [1203] 01-01
  [ 15] 10-01 [ 138] 02-01 [ 503] 02-01 [ 869] 02-01 [1234] 02-01
  [ 46] 11-01 [ 166] 03-01 [ 532] 03-01 [ 897] 03-01 [1262] 03-01
  [ 76] 12-01 [ 197] 04-01 [ 563] 04-01 [ 928] 04-01 [1293] 04-01
         [ 227] 05-01 [ 593] 05-01 [ 958] 05-01 [1323] 05-01
  データ番号参考 [ 258] 06-01 [ 624] 06-01 [ 989] 06-01 [1354] 06-01
  にRコマンドでデ [ 288] 07-01 [ 654] 07-01 [1019] 07-01 [1384] 07-01
  ータをダウンロード [ 319] 08-01 [ 685] 08-01 [1050] 08-01 [1415] 08-01
  可。当日の風 [ 350] 09-01 [ 716] 09-01 [1081] 09-01 [1446] 09-01
  はWD10コマンド  [ 380] 10-01 [ 746] 10-01 [1111] 10-01 [1476] 10-01
  が便利。著作 [ 411] 11-01 [ 777] 11-01 [1142] 11-01 [1507] 11-01
  権:橋蔵   [ 441] 12-01 [ 807] 12-01 [1172] 12-01 [1537] 12-01

C)風集配システムの持つべき機能
 1)観測局にアクセスして、運用に必要なデータを取り込む
 2)日々前日の10分平均風データを各データベースにアペンドする
 3)WD10データは格納しないで、展示用の臨時ファイルとして形式を整えておく
 4)指定した日のデータを各データベースから取り出し展示用ファイルとして形式を整える

D)上記C)の2),4)を実行可能にするプログラム
 1),3)の自動化にはまだ手がつけられていないが、2)と4)については第1弾を完成させるこ
とができた。ISH形式でQBプログラムをUPします。
<<< arrange.lzh for MS-DOS ( use ish & LHarc ) [ 26 lines ] >>>
……省略……


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☆-- BD0 MSG [ 3197] ------ / KOMATU NET / 1994-09-26 / 20:37:17 / ------☆
ビワコダスへの展望(4)

ビワコダス・ゲートウェイ

 先日栗東の橋蔵さんと話をしていると、長浜、北小松、栗東とアクセスするのは大変だな
あという感想がありました。確かに大変です。そこで1日に一度それぞれのネットに自動的
にアクセスして、新しいMSGや風データを収集するセンターを作っておけば、そこのMSG
を見てRESすれば見逃すことはないと考え、これの実現可能性を探ってみました。
 まず、風集配システムができれば、これが指定の時間(例えば夜中の2時)に各ネットを
回りMSGを集めてプールしておけば良いわけです。しかし、集配システムが遠方にあると
引き出すユーザーにとっては電話代がかさむわけで、集配システムはまさに各観測局に風デ
ータやMSGの全てを配送する機能を持たせておく必要があります。
 このような双方向の集配システムは実現可能でしょうか。このシステムをここでは「ビワ
コダス・ゲイトウエイ」と呼ぶことにします。このような発想はホタルダス・ユキダスのネ
ットリンクの時にターシさんが使われたゲイトウエイをそのまま借用しています。この自動
データ収集・配送システムは、1つのネットに対して実現すれば他のネットへの応用は簡単
です。
 そこで、まず試験的に考えられるのは、やはり風集配システムにおける以下の機能;
【風集配システムの持つべき機能】(#3187参照)
 1)観測局にアクセスして、運用に必要なデータを取り込む
 2)日々前日の10分平均風データを各データベースにアペンドする
 3)WD10データは格納しないで、展示用の臨時ファイルとして形式を整えておく
 4)指定した日のデータを各データベースから取り出し展示用ファイルとして形式を整える
  のうち、1)の機能の早期実現が必要となりますね。また、
 5)観測局にアクセスして指定されたボードに風データやMSGを書き込む
  という機能も必要になってきます。

 5)は以前、風データを湖鮎ネットに上げていた自動風観測・風データ送信プログラム(QBWINDUP.B
AS)が既にできているので、風ネット対応に書き換えるだけの作業になりそうです。橋蔵さん
の感想が大きく「ビワコダス・ゲイトウエイ」という方向に発展して行きそうですが、これ
はこれまでの経緯からすれば「自然な進化の方向」というべき姿ですね。年内に完成させた
いですね。橋蔵さん、ソフト開発を一緒にやりませんか。


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☆-- BD0 MSG [ 3206] ------ / KOMATU NET / 1994-09-28 / 06:56:54 / ------☆
ビワコダスへの展望(5)

他の気象要素について

 橋蔵さんは、いっきに加速を始めましたね。他の気象要素ということで、少なくとも温度
はできるだけ早くできるようにしようと考えていました。しかし具体的には、どこの計測機
器を使うのかについては、まだ何も決めていません。橋蔵さんが先駆的試験をされるのはま
ことに嬉しいことです。
 私も職場に2年程前に物理部会で紹介していただいたパピア(??)の温度計(rs-232c
に接続する)を購入してあり、また教育センターでも温度センサーについては昨年度、セン
サーを含む計測回路をA/D変換部まで含めて長浜インタさん達と開発に取り組んだ経緯も
あり、風ネット用の共通のセンサーとして整え直そうということになっていました。しかし、
なかなか仕事が忙しく、手が回らずに現在に至っています。
 さて、風観測システムへの他の気象要素の追加ですが、もしセンサーが選定できれば、T
SRに組み込んでの観測は容易です。現在のA/D変換器ではチャンネルがまだ14も余って
いるし、12ビットの性能は精密計測に十分でしょう。
 温度についてはダイオードをセンサーに用いても大丈夫と思いますが、湿度や気圧となる
と難しいでしょうね。特に気圧は精度が大変だと思います。1hPaまで安定して計れるとよい
のですが、現在の段階では難しいのではないでしょうか。気象庁のアメダスにもまだ気圧要
素は入っていません。ビワコダスでは、気圧要素は必要かというと、滋賀県は狭い地域です
から、気圧の地域変化が極めて僅かであることが予想され、どこかで1ケ所正確に計れれば
良いようにも思っています。
 ということで橋蔵さん、気温・湿度・気圧の計測に頑張って下さい。10月10日に八幡
工業で運営委員会ということでしたから、この時に見せて下さい。データも出始めていると
よいですね。良いデータが得られるなら、風観測システムへの組み込みも考えてはどうでし
ょうか。
 風観測システムのセンサー部に、風向・風速の他に気温・湿度・日照・気圧等を組み込ん
で、風観測システム専用のセンサーBOXを作ることは、ビワコダス計画の大きな課題の1
つと言えるでしょうね。橋蔵さんの先駆的な研究に期待します。


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☆-- BD0 MSG [ 3209] ------ / KOMATU NET / 1994-09-29 / 00:30:25 / ------☆
ビワコダスへの展望(6)

風観測網の設置について

 今日は琵琶湖をとりまく「ビワコダス風観測網」の設置場所について候補地を上げてみま
す。
           ①
1)今津 2)安曇川 3)北小松  4)和迩 5)坂本  6)浜大津 7)石山 8)瀬田

  ③                       ②
9)栗東 10)中主  11)近江八幡 12)稲枝 13)彦根 14)長浜 15)高月 16)塩津

 この他にも 17)沖の島 18)八日市 19)日野 20)水口 21)土山 辺りが考えられますが、
予算とのからみで設置を考えることになるでしょうね。上の16)までの案は琵琶湖を大まかに
10km間隔位で一周することになります。これだけあれば、データとしてはかなりのものが得
られるのではないでしょうか。
 設置に伴う費用は維持費を含めると膨大なものになるでしょうが、予算とのからみで、上
記候補地からより適当な場所を選ぶとよいでしょうね。現在は3観測ポイントでおよそ50km
包囲網です。次は20km包囲で8観測ポイント、そしてこれが実現すれば10km包囲網の16観測
ポイントと拡大していく方法がよいのではないでしょうか。
 地域が決まれば具体的にどこに設置するかは、琵琶湖地域環境教育研究会で適当な人を探
し、依頼する必要があります。この作業は簡単そうでなかなか難しいかも知れません。設置
に伴ういろいろな問題をクリアしておかなくてはなりません。私を含めて既に設置している
3観測ポイントの風観測者から、存在する問題点を遠慮無く出してもらい、全員で解決方法
を考えておかなければならないでしょう。私有地での設置だけに、琵琶湖博物館の風集中管
理システムよりも複雑な問題を含んでいるように思われます。ビワコダス研究会で討議すべ
き大きな問題であると考えます。


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☆-- BD0 MSG [ 3211] ------ / KOMATU NET / 1994-09-29 / 18:00:04 / ------☆
ビワコダスへの展望(7)

連帯感を育む観測網でありたい

 物理学では、粒子と粒子が相互作用をする場合、そこには必ず媒介となる粒子が存在する
ことが明らかにされている。パソコン通信もこれによく似ているところがある。ネットを媒
介として、様々な人と人との結びつきが生まれていく状況は、まさにネットが場の担い手と
して人と人との人間的な結びつきを担ってくれていることが分かる。時間や空間、そして利
害関係を越えて、心を共有する「連帯」という新しい人間関係を育んでくれる。
 KOMATUネットに続いて、長浜、栗東の風ネットが誕生した。そこに参加する人々の輪は、着
実に増えている。今日長浜ネットを覗いたら、ほのぼのとした気持ちにさせられるMSGが
あった。汀さんのRESである。長浜インターさんが深夜遅くMSGを書かれているタイムスタン
プを見て、これを気遣うやさしい心は、きっとインターさんの疲れを癒してくれるカンフル
剤になったことであろう。
 我々はビワコダスという大きな仕事を、「仕事という意味だけ」でやろうとしているので
はない。ここには「連帯という心の輪」が必要である。これがなくなれば、観測網は「ただ
の機械」にしか過ぎない。それぞれが自分の範囲でできることを、知恵を出し合って協力す
る中に連帯感が生まれると思う。
 カータンはきっと、「この考え方は本質論においては正しいけれど、ちょっと重いよ」と
忠告してくれるであろう。「気軽に書きたい事、言いたい事を自由な立場で発言しながらネ
ットは進んで行けばよい」と言われることは目に見えているが、底辺には「互いに相手を思
いやる心」があればこその話ではないだろうか。
 今日の汀さんのMSGは、まさに心をほのぼのとさせてくれるMSGであった。KOMA
TUネットにも転載させていただきます。……省略……


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☆-- BD0 MSG [ 3226] ------ / KOMATU NET / 1994-09-30 / 20:37:59 / ------☆
ビワコダスへの展望(8)

みんなで作ろうビワコダス

 #3225が「3観測点画像同時表示について(再)<クレイトン」となっているところからす
ると、「三地点同時比較の画像ソフトをダウンして、早速試させてもらいました」と書かれ
ている#3218のMSGはクレイトンさんだったのですね。長いISHファイルを解凍して見ていただ
いて本当に嬉しく思います。
 ここまで来るには長い道のりでしたが、焦らず慌てずのんびりと楽しみながらシステムを
成長させて来ました。自分でもここまでは、まずまずのシステムができたのではないかと思
っています。この陰には、ターシさんやカータン、それにKENさん、はいぱあかたなさん、
それに滋賀県の物理仲間の皆さん等の暖かい支援があってここまでこれたように思います。
 「ビワコダスへの展望」と題するシリーズで、いろいろな角度から「ビワコダス実現と成
功」への試練を展開していますが、我々素人が知恵を絞って、「どこまで近江の気象やそれ
にまつわる人々の暮らしや歴史」をひもとくことができるかが、長いスケールでの目標にな
っています。気象庁や学者にはとうていできない視点から近江をとらえ、「ローカルで木目
の細かい発見、発掘」を繰り広げながら、近江の気候・風土の真実に迫ろうというのが我々
の野心です。
 今日のMSGを見ていると、クレイトンさんはなかなか風に造詣がお深いようです。我々
のシステムは3点画像といったデータを提供しますが、これに魂を入れる情報は提供できま
せん。クレイトンさんが直に琵琶湖で体験されている以下の表現は、なんと味わい深い内容
でしょう。
 >近江八幡辺りでウィンドサーフィンをしているとよくあることですが、
 >南西から北西に変わるときは、比良の影響で、一種の飛躍的変化が見
 >られます。つまり西風というのはなく、南西の後、少し凪があって急に
 >北西の風が入るという現象です。北小松の風は、その先触れのような感
 >じで変化しているような気がしますが。
このような情報をただでいただけることこそが、データや画像の提供以上に有り難いことな
のです。クレイトンさんもビワコダスを推進していく仲間に入りませんか。琵琶湖博物館
(仮称)準備室の依頼を受け、琵琶湖地域環境教育研究会という研究会を母体にして活動し
ていますが、決して堅い組織ではありません。会費も要らないし、特別なノルマもありませ
ん。みんなでわいわい言いながら、情報を交換して、一つの目標に向かって歩んでいく楽し
いサークルと表現した方が良いでしょうね。良かったら気楽な気持ちでどうぞ。
 さて「地図上に表示される矢印が枠外にはみ出した場合、はみ出した部分が残って、グラ
フも読みとりにくくなってしまいました。」ということですが、この改善は時間がある時に
行いたいと思います。8月20日のビワコダス研究会で展示タームを披露した時にも参加者
の皆様から指摘された内容でした。今は開発できるソフトの形態とそのアイデアが浮かび次
第、何でも作ろうという作業が先行しており、細部までの仕上げにはなかなか手が回らない
状態です。もしクレイトンさんがプログラミングにお詳しいならば、そして楽しんで改善をお引
き受け願えるならば「はみ出しても大丈夫な画像」にVerUP依頼をさせていただくのですが。
どうでしょうか。
 自分のできる範囲で参加してみんなで作り上げていく。ビワコダスはなんとも頼りない運
用形態ですが、こんな形でありながらここまで来ることができました。


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☆-- BD0 MSG [ 3236] ------ / KOMATU NET / 1994-10-02 / 06:53:34 / ------☆
ビワコダスへの展望(9)

最大風速の記録について

 風観測システムにおいても改善を急ぐ課題があります。その一例を上げると最大風速の記
録です。今回の台風26号ではどれだけの風が吹いたか、また風観測機器がどれだけの最大
風速に耐えたか、そして3観測地点で最大風速がどのように異なったかを調べようとしても、
最大風速はGRAMに展開されるだけで、ファイル保存されたのは1分平均や10分平均風データだけです
から、肝心の情報は平均を取った後はきれいに消えてしまうという結果に終わっていました。
 長浜インターさんは、BBSと連動していないQBWINDUP.BASでの観測の時には、自分でプ
ログラムを改造し、最大風速を日毎に記録できるようにされていました。さて、現在のシステム
では、どのようにすれば最大風速の記録が可能になるのでしょうか。このような機能を持た
せようとすると、システム全体の動きがよく理解できていなければ実現できません。次のよ
うな視点から、最大風速を記録するルーチンを考えました。
1)TSRによりG-RAMに展開された風データを、毎時WDCOOKルーチンで1分平均してファイル
 保存しているので、この時をねらって毎時の最大風速を記録する
2)記録の方式は 「時刻(hh:mm:ss) 最大風速(4バイト) 風向(3バイト)」とする
3)これを WDMAX.DAT にアペンドして保存する
 これを実現するプログラムの具体例は、以下に示したものになります。まだBBSに組み込んで
試験を終えていないのでバグがあるかも知れませんが、アルゴリズムは正しいでしょう。しかし
このままでは、システムを止めてWDMAX.DATをエディターで調べるか、システムを停止したくなければFDD
にデータを保存するようにしてWDMAX.DATをエディターで調べるかしか、登録されたデータを見る方法
がありません。
 これをデータ・ベース化しユーザーがいつでも通信を通じて情報を引き出せるようにするには、も
う1工夫必要です。やはり他のデータ・ベースと同じようにインデックスファイルを作る必要があります。
風観測システムの機能として早急に実現すべきことではありますが、多少の開発時間が要求
されますので今回はここまでとします。
 ということで、長浜インターさん、橋蔵さん、ネットの皆さん、最大風速記録のデータ・ベース
化を目指しますので、ちょっと時間を下さい。データ・ベース化するに当たってご意見・ご提言が
ありましたら、よろしくお願いします。


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☆-- BD0 MSG [ 3240] ------ / KOMATU NET / 1994-10-02 / 17:09:54 / ------☆
ビワコダスへの展望(10)

展示はアイデアの宝庫

1.滋賀県立体地図について
 東大津高等学校へ出張した時、地学教室に滋賀県の立体地図とランドサットの高空写真が置いて
あった。ランドサットの写真は我が職場にあるので、立体地図が手に入らぬものかと思い、書かれ
ていた住所・電話番号をメモしておいた。
 立体地図は、地形による風の振る舞いを考察するには、なくてはならぬ存在である。風の
通り道や、地形的障害を見るには最適である。風観測システムによるデータを、実りある展
示へと高めるには、立体地図はなくてはならない存在となる。台風26号が来る前日の28
日、富士製作所へ電話をした。そして発注。台風通過の翌日の30日に自宅へ届いた。
 大きさは「60cm×90cm」位で、滋賀県が真ん中に位置し、若狭湾や濃尾平野、大阪平野が
割と大きく入る程のゆったりとした地図である。縮尺18万分の1で、比高は1:2.7と書かれ
ている。高さ方向については2.7倍に拡大した地図である。見ていると誠に飽きない魅力ある
素晴らしい地図である。ちなみに値段は34,700円でした。

2.富士製作所について
 送られてきた封書には、次のようなことが書かれている。
 [総合ディスプレー]
  模型等展示物企画設計施工製作=資料館、博物館、その他
  木 製 品=展示館ケース企画、木製品一般
  特殊印刷=シルク印刷、成形物印刷、ディスプレイ印刷
  地  図=立体地図300種、自動・手巻式掛地図、その他
  そ の 他=各種立体模型、FRP造形、光ファイバー加工、看板、パネル
 株式会社 富士製作所 〒462 名古屋市北区報徳町16番地
            TEL 052-991-8171 FAX 052 915-1845
            地下鉄・平安通駅下車徒歩2分


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☆-- BD0 MSG [ 3242] ------ / KOMATU NET / 1994-10-02 / 17:56:43 / ------☆
ビワコダスへの展望(11)

台風26号風画像表示の工夫から

1.SAWAさんの提言へのリプライ
 SAWAさんから#3231において、風画像について、下記のように有り難いコメ
ントがありました。いずれも改善の余地ありの納得させられたご提言です。
 >で、風画像のソフトについて提案があります。
 >観測データとして各情報を見るだけであれば今の形でもよいかと
 >思いますが、それ以上の利用を考えるならば、風速のスケールや風向の
 >中心方向などはある程度指定できる方がよいのではないかと思います。
 >私も風向については北を中心に見たいので、GIFのマップ表示後
 >風向をPRINTしなおして座標計算で南北成分を逆転させるという
 >ややこしいことをしております。こうしないと北東-北西という
 >風の振れが見えにくいからです。
1)風速のスケールを変える
これは、簡単にできます。背景画像のスケールを変えると共に、表示スケールをそれに同期
させれば可能
2)風向の中心方向を変える
そうですね。これは良い指摘だと思います。南が真ん中にあり、北が上下の端にあ
るので、風が北東から北回りで北西へ変化する時などは不連続になり、非常に見に
くいですね。改善の余地大いにありと思います。各観測点で風向の中心位置が変え
られるようになると良いです。考えてみます。SAWAさんもVerUPよろしく。
3)地図上の風ベクトルの完全消去
これは最初に指摘があった改善点です。これと併せて矢印の長さも自由に変えられ
るようにしたいですね。

2.台風26号の風データの解析と、見栄えある画像表示
 そこで、今日は若干の時間ですが、SAWAさんのアドバイスを踏まえながら台風26号
の風画像に絞って、いろいろな検討を行いました。
 今回の台風は、真夜中に滋賀県を通過したので、1日画像に取り込んで展示するには限界
があります。そこで、考えたのは、29日の12時から翌30日の12時までを、1枚の同
時画像にすると見やすいと考え、取り組みました。やはり興味ある画像を提供してくれます
ね。北小松栗東観測所は東から北回りに風向が変わっているのに対して、長浜だけが東から
南、西へと推移しています。これは明らかに、台風が長浜だけ西側を通過したことを物語っ
ています。
 風が深夜弱くなったところが中心が通過した時刻であること、そしてこの時刻が、栗東と
長浜では1時間以上の差があることも読み取れます。風速のスケールを10m/sまで表示できるよ
うに変えたり、風ベクトルの長さを半分にしたりすると、より分かりやすい表示になりました。
今日はまだ風向の中心をずらす所まで進んでいませんが、これらの作業をしながら、SAW
Aさんの的確なご提言に感心した次第でした。
 今日の最大風速のように次々とやることが出てくるため、1つのことに落ち着いて取り組
む時間はなかなか持てませんが、これからも貴重なアイデアをご提言下さるようお願いしま
す。今日の作業から、「4)時間スケールの移動」の必要性も感じました。


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☆-- BD0 MSG [ 3260] ------ / KOMATU NET / 1994-10-04 / 22:07:57 / ------☆
ビワコダスへの展望(12)

風観測システムのデータと気象庁

 橋蔵さん、SAWAさん、長浜インターさん達から次のような質問が舞い込んでいます。
1)クレイトンさんから橋蔵さんを通じて「風ネットは気象庁と同じ風速計を使って
 いるのですか」(#3214)
2)SAWAさんから「観測の誤差について余り論じていないように思えるのですが
 どうなのですか」(#3247)
3)長浜インターさんから「伊吹高校に設置してあるシステムはQBWINDUP.BASで動作して
 おり、瞬間最大風速が観測データとして保存できるようになっている。台風26号の
 データを調べたら45m/sもの値が出ていた。瞬間最大風速は、気象庁の定義はどのよ
 うになっているのか教えて欲しい」(昨日朝の電話による情報交換)
 さて、我々は上述の質問について、明確な解凍を持ち合わせていなくてはなりません。
そしてさらに、
4)我々の風観測システムにおいて「どのように風を測定しデータ化しているのか」
について、再度これまで築いてきたプロセスを紹介し、再吟味しておく必要があります。
今回はこれらの内容について考察を加えてみます。

[回答及び調査結果]
1),3)については「財団法人 日本気象協会 1988 地上観測法」に詳しいので、これから
該当箇所を引用します。

1)気象庁の風向・風速計は「風車型風向風速計」[パルス式]による観測
  感部は流線型胴体と鉛直な尾翼による風向感部、および4枚のプロペラの風速
 感部などで構成されている。
  ・風向:回転する胴体の軸に連結してスタンド下部にシンクロ発信器があり、
      風向(角度)に対応した三相の交流電圧信号を出力する。
  ・風速:胴体前部にプロペラ軸に直結して穴のあいた回転円盤がある。円盤を
      挟んでフィトインタラプタが取り付けられており、プロペラ1回転について48個
      のパルス信号を出力する。
  ・風程:プロペラ回転軸にはウォームギア(減速機構)が取り付けられており、カムと
      マイクロスイッチを使って、60m風程ごとにパルス信号を出力する。

3)風向風速変換部(データ変換部Ⅰ)
  この部分では風向風速をデジタル信号に変換し、表示などを行う。風向は感部か
 らの風向信号をスコットトランスを使って東西、南北の成分に分け、その正接(arctan)を
 とることによって求める。実際には逆正接は両成分の絶対値の比をとり、これに
 それぞれの成分の符合から求めた象限判別信号を加算し、最終的には角度に比例
 した周波数に変換している。
  平均風向は各成分の信号をコンデンサーと抵抗によって構成される積分回路を通すこ
 とによって得ており、観測時刻に近いときの風向ほど、大きな重みをつけた平均
 である。積分回路に時定数は2分であり、この平均を施した風向はいろいろな風
 向変化の条件のもとで、ほぼ10分間の平均風向を示すことが分かっている。
  瞬間風速は感部からの風速パルス信号を0.25秒毎に計測し、プロペラの回転特性を補
 正して求める。平均風速はこの瞬間風速を積算して、風程60m毎ごとに出力される
 風程パルス信号を10分間積算することによって得ている。
 注)瞬間風速とその時の平均風速の比は、風向、風速、変動周期、地域や季節また
   は測器などによっても異なるのであるがだいたい1.5~1.7が一応の目安である。

2)さて、SAWAさんが指摘の観測誤差についてですが、我々の用いているA/D変換
 器は12ビットですから、かなり正確です。風向、風速計が1Vを最大値として送ってく
 るアナログ出力を5Vのレンジを12ビットで見ていますから、ビット当たりの精度は、風速で
 (5/4096)*5000=約6cm/s, 風速で(5/4096)*360=約0.45度になります。QBWINDUP.EXE
 による風向・風速計の機器からくる電圧はノイズが少なく極めて安定しています。た
 だ風向計に関しては北で360度から0度への不連続な変化を示すので、不連続点での
 観測が風向の誤差になることは考えられることです。しかし、我々はデータを無修正
 の形で処理しています。このように考えてくると、測定機の誤差よりも地形や建物
 の影響による誤差の方が圧倒的に多いように感じます。
 ここで、気象庁の観測条件を引用しておく。「風の測器は、平らな開けた場所を選
 んで、独立した塔または支柱を建て、地上10mの高さに設置することを基準とする。
 開けた場所とは、風の測器と障害物との距離が、障害物の高さの少なくとも10倍は
 あるところ、理想的には20倍以上をいう。」このような理想的な場所は少ないから、
 塔や台の上ではこれから少なくとも2m以上の高さに取り付けるここと記されている。

4)さて、我々の観測機器、設置場所、測定方法、データ処理について、ハード・ソフト
 の両面に渡って詳しく述べる必要があるが、これは以下の文献を参考にして欲しい。
 風のベクトル平均の処方やコンピュータによる独自に開発した観測システムの方法について、こ
 れで問題はないかという冷静な目での再確認も必要であろう。
 ・雪んこの気象日誌3          1993年5月 琵琶湖地域環境教育研究会
 ・住民参加による気象情報収集の方法論に関する研究
                  平成4年13月31日 琵琶湖地域環境教育研究会
 ・住民参加による気象情報収集の方法論に関する研究
                  平成6年 3月31日 琵琶湖地域環境教育研究会
 ・風観測システムの開発 '93滋賀科学 '94年6月発行 高島高等学校 松井 一幸
 ・KOMATUネット(0775-96-1349)BD0における電子会議の関連MSG参照


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☆-- BD0 MSG [ 3273] ------ / KOMATU NET / 1994-10-07 / 05:41:20 / ------☆
ビワコダスへの展望(13)

広域気象情報収集展示システム

1.広域気象情報収集展示システムの必要性
 我々はビワコダスを通じて琵琶湖地域における微気候を明らかにしていくのであるが、こ
れは明らかに学としての領域にまで高める必要がる。特に気象要素と住民の生きざまに関す
る歴史的な文化の追求にあっては、近江における気象現象の特異性と一般性という視点から、
体系的に学としての追求がなされなくてはならない。
 広域気象情報とは、科学的な手段を用いて提供されている気象庁を中心とする情報を意味
する。これらを収集することは、ビワコダスの理念から見ても極めて重要であると思われる。
何故なら、我々が明らかにしようとしている「近江の気象の特異性と一般性を明らかにする」
のになくてはならない情報源を与えてくれからである。
 収集展示システムは、2つの意義を持っている。1つは琵琶湖地域で特異な気象現象が起
きた時の必然性を、大局的な視点から吟味・検討できる資料を与えてくれることである。我
々のデータ解釈が独りよがりにならない為にも大切な情報源となる。
 2つ目は、ビワコダス風観測網で収集したデータを展示する横で、雲画像や高層・地上天
気図を展示し同時提供することは、見る人の興味をそそり、より魅力ある展示に高めてくれ
ることは必至だからである。

2.広域気象情報の収集について
 広域気象情報の入手の仕方について述べよう。
 1)気象衛星「ひまわり」からの雲画像受信
   ・数GHzのマイクロ波をパラボラアンテナで受信
   ・長所:リアルタイムで雲画像を受信できる
   ・短所 高価である。雲画像に限られる
 2)JMH気象FAXによる各種画像受信
   ・短波帯による無線通信による受信
   ・長所 雲画像(6時間毎)、地上天気図(6時間毎)、
       高層天気図(850,700,500,300hPa等)等が容易に得られる
   ・短所 短波帯ではノイズの影響があり画質にやや問題がある
 3)NIFTYの気象情報画像サービス WPIC
   ・概要
     1. ご案内           2. 天気予報 (\)
     3. 週間予報 (\)        4. 天気図 (\)
     5. ひまわり画像 (日本付近)(\) 6. ひまわり画像 (全球) (\)
     7. 最新台風進路予想図 (\)   8. アメダス降水量分布 (\)
     9. アメダス気温分布 (\)
   ・長所 データベース化されていて便利
   ・短所 ア)JMH気象FAXに比べると情報が少ない。展示には向いているが、
        あまり専門的な情報を提供してくれない。例)高層天気図がない
       イ)商用ネットの情報であるから、展示については著作権が心配
 4)月刊雑誌「気象」をはじめとする刊行物からの情報収集
   ・長所 多様な情報を集められる
   ・短所 著作権

3.情報の収集と展示
 情報を収集することは著作権に抵触しないので、なるべく多くの系統的な資料を集めるこ
とが必要である。しかし、膨大なデータを得ても意味がないので的を絞る必要がある。私の
個人的な見解としては、JMHの気象FAXが大変優れているように思う。画質のよい安定
した受信装置を1台購入すればよい。スケジュールにそって24時間体制で送られる各種画
像をデータベース化し、通信で取り出せるようにすれば、来客の興味に応じた情報を提供できる。
また、はじめに述べたように、このようなデータの絶えざる蓄積は、我々が必要とする時に
「近江の気象と大局的な気象の関連」を明らかにする上で欠かせない情報を提供してくれる
であろう。まさにビワコダスを学にまで高める必要条件とも言える。

4.予想される問題点
 問題になるのは著作権であろう。データベース化した情報を展示だけではなく、パソコン
通信によって一般ユーザーに提供することにはどんな障害が待ち受けているのだろうか。デ
ータベース化や展示には著作権が常に伴うが、この問題には早くから取り組んでおく必要が
ある。専門家に打診することも必要であろう。


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☆-- BD0 MSG [ 3279] ------ / KOMATU NET / 1994-10-08 / 09:33:29 / ------☆
ビワコダスへの展望(14)

琵琶湖地域気象情報収集展示システム

1.琵琶湖地域気象情報(狭義)とは
 広域気象情報が外から与えられるデータであるのに対して、琵琶湖地域気象情報とは、広
義には文献等による外からのデータを含むが、ここでの定義は、狭義にビワコダスで得られ
た独自の琵琶湖地域気象情報を指すこととする。
 狭義の琵琶湖地域気象情報の収集は「湖鮎ネットのユキダス」で始まった。もちろん他の
研究・調査機関でも取り組まれてきたが、これらは広義の気象情報とここでは位置づける。

2.独自の調査・研究の始まり
 ユキダスは、最初に住民参加による情報収集型データベースを意識した最初の近江の気象
研究であった。この成果は3冊の「雪んこの気象日誌」に収められているが、これまでの気
象研究では明らかにされなかった数々の事実を明らかにした。しかし、まだまだ究め尽くせ
ない事象も多くあり、また冬場の気象解明だけでは近江の気象現象を語り尽くすことはでき
ないので、季節に限定されない調査・研究へと高めようという方向と、気象には風が大きく
作用するので、風の研究を独自で行おうという方向へと進んだ。これが風ネットの建設・実
現へと成果をもたらした。
 また、近江の人々の気象とのかかわりを、地域、歴史、社会といった文化的な面からとら
えようという機運も高まっている。これは琵琶湖地域環境教育研究会の主催で、地域の人々
から直接気象とのかかわりを聞くという試みや、近江の気象研究に携わってこられた先生や、
さらに気象研究の専門家を招いて幅の広い学習を実践しようという方向へ進んだ。8月20
日には湖西の北小松で第1回の研修会が行われ、10月8日には湖北の尾上で第2回目が行
われようとしている。

3.近江の気象の木目細かな研究と展示
 現在では50km包囲網で3局の風観測が行われている。この観測ポイントは単なる風観
測局ではなく、それぞれがパソコン通信のホストとして機能している。24時間体制による
観測は価値あるデータを提供しつつあるし、そこに書き込まれた各観測局のMSGは、近江
の自然や文化の貴重な情報を蓄積していくことであろう。
 風データやMSGを詳しく分析し、調査・研究を繰り返し「近江の微気候」を明らかにし
ていく必要がある。この過程で得られた独自の研究成果をデータベース化し、展示へと高め
る仕事が、琵琶湖地域気象情報収集展示システムの役割である。

4.風ネットワークは心の連帯感
 風観測網が有効に機能すると、これまでにはなかった連帯感が広がることが予想される。
心の輪が広がり、多くの地域情報が集まり、気象現象にとどまらない成果が期待される。ど
こまで満足のいく結果が得られるかは未知数であるが、ビワコダス構想は、これまでの多く
の研究と違って、地域の住民に支えられた研究の方法論として1つの波紋を投げかけること
は確かである。成功も失敗も今後の進め方に大きく依存していく。知恵を出し合うのも参加
者一人一人の熱意にかかっている。心の輪がある限りビワコダスは輝かしい未来を創り出し
ていくであろう。

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