風観測システムの開発

        (論文中の図はできるだけ早く対応する予定です)

                   滋賀県高等学校理科教育研究会発行 '93滋賀科学
                   '94年6月発行 高島高等学校  松 井 一 幸

1.はじめに

 '90の滋賀科学において、筆者は「気象情報のFAX受信とその利用」という題名で近江の
湖西地方で冬場に吹く「ヒアラシ」の実像にせまった。この中で、聞き取り・文献調査、それ
に広域な風の現地調査を行い、パソコンで受信した気象FAXのデータとの比較を行いながら、
ヒアラシの吹くメカニズムについての仮説を提唱した。
 これら一連の研究は、同時期に琵琶湖研究所が琵琶湖地域環境教育研究会に委託して実施し
た3年間にわたる住民参加形態の「雪ダス」と連動しており、成果は参考文献の2,3,4,5に詳し
く報告されている。また、筆者は90年に行われた第3回屋台シンポジウムや92年1月の第
10回琵琶湖研究シンポジウム「シロウトサイエンスのサイエンス…住民参加による身近な環境
調査」で「近江の冬の気候ヒアラシを探る」と題して成果を発表している。
 近江の気象を科学的に論ずるには、風の観測とデータの蓄積・解析が必要である。91年の
12月からは、琵琶湖地域環境教育研究会から委託を受け、自宅に風速・風向計を設置し、パ
ソコンによる24時間体制の自動風観測システムの開発を開始した。このシステムではデータ
形式の確立や風データの自動蓄積に成功したが、データを電話回線を通じてリアルタイムに他
の場所へ提供することはできなかった。
 92年9月からは、BBSの建設に踏み切った。当初は風観測システムとは独立に、自作プ
ログラムによるパソコン通信のホスト局の建設を目指した。9月下旬にはKOMATUネット
を開局し、数々の試練を経ながら1年後にはほぼこけないネット作りに成功した。93年11
月からは風観測とBBSが共存するシステム作りを目指したが、12月には念願の風観測とB
BSの共存を1台のパソコンで実現することに成功した。
 このシステムを「子システム」と呼ぶことにするが、これを琵琶湖の周辺に設置すれば近江
の気象のきめ細かな研究やデータ提供が可能になるであろう。集中局である親システムが、地
域に分散した子システムのデータをまとめ上げ、データを有機的に結び付ければ、近江の気象
情報をリアルタイムで住民に提供することも可能となる。このデータは学校教育の現場におい
ても生きた教材として利用することも可能となる。
 ここでは、筆者の子システム実現までの概要を語りながら、将来的には琵琶湖博物館による
親システムとの連携で「近江の気象観測網……琵琶湖ダス」実現への夢を展望してみたい。

2.パソコンによる風観測の開始

1)ハードウエア
 風の観測に用いた機器は以下の通りである。
・風速計発信器:横河ウェザック株式会社
  MODEL:A-702 (風杯~発電式)
・風向計発信器:横河ウェザック株式会社
  MODEL:A-8,2 (矢羽根~ポテンショメータ)
・A/D変換器:Interface社
  98AD12(16/8)-H AZI-201 シングル16点差動
  8点バス絶縁型12ビットA/D変換ボード
・パソコン:PC9801-VM21
・CRT:NEC PC8841(モノクロ)
風向・風速計は、筆者の自宅(滋賀郡志賀町北小松)の蔵の屋根の上に設置されている。風速
・風向計からの信号はA/D変換器に入り、パソコンでデータを収集できるようになっている。

2)ソフトウエア
 開始当初はDOS版のN88BASICでプログラムを組んでいたが、QuickBasic(QB)に移し替えた。
QBは構造化されたBASICで操作性に優れており、プログラムの拡張やメンテも容易である。ま
た、プログラムを独立型EXEとして実行可能である。風データはCRTにリアルタイムにモニターされる。風
データの平均操作は1秒に1回のサンプリングデータに基づくようにした。

3)風データの形式
 A/D変換器から取り込まれる12ビットのデ-タを、プログラムにより風向 θ[rad]、風速 W[cm/s]に
変換する。θは、北=0で、東回りに増え、東=π/2、南=π、西=(3π)/2となり、北で2πとなり、
再び0に戻る。
 毎秒測定されるθとWの値から、風速 W、風の北成分 Wn=W・cosθ,風の東成分 We=W・sinθを
算出し、1分毎に代数平均(ベクトル平均)したものを10分毎にディスクへファイル保存した。1分毎に
保存されたデータを「1分平均風データ」と呼ぶ。このデータは、「時刻,W,Wn,We」が1440行にわ
たって書き込まれるので、1日のファイル容量は約30KB程度になる。そこで、データベース化し易くす
るために1分平均データを10分間で平均し1日約1KBのファイル容量になるように短くしたのが「10分
平均風データ」である。

4)1分平均風データの例
1994-02-12
1,123,87,-82
2,45,30,-30
3,86,62,-55
4,40,28,-27
5,49,43,-20
…途中省略……
1436,75,-65,4
1437,366,-317,159
1438,238,-88,190
1439,157,-37,134
1440,276,-114,238
*/
解釈例)1440,276,-114,238
 先頭の数字は分単位の通算数字
  23:59:01~ 00:00:00 → 1440
 以下に,風速,風北成分,風南成分が続く
  W=276cm/s, Wn=-114cm/s, We=238cm/s

  <写真1>

写真1)WD48HOUR.BASによる1994年2月11,12日の風画像。12日の日中は強い比良下ろしが吹
き、地吹雪模様の大荒れとなった。

      <写真2>

写真2)WDLOOKER.BASによる1994年2月12日の風
画像。滋賀県地図には観測点の風配図入り。風データベースのデータをこのような画像にできる。

5)10分平均風データの例
/*
1994-02-12
0,63,-51,70,-50,57,-54,63,-27,118,-30,115,-10
1,147,-5,71,-2,83,-3,86,5,81,6,88,-28
2,21,10,-2,5,-2,-16,-2,3,2,-5,4,-1
3,20,-17,22,-1,26,3,125,-17,127,13,134,32
4,116,66,112,19,86,-7,38,59,26,35,16,30
5,13,29,12,-11,3,-6,14,-10,68,8,88,-19
6,125,-42,60,-19,117,-27,177,-35,191,-43,324,-173
7,401,-188,332,-137,320,-158,269,-103,277,-132,301,-136
8,357,-174,429,-217,449,-218,433,-211,547,-291,567,-288
9,638,-314,597,-293,608,-259,639,-290,712,-345,735,-320
10,816,-335,868,-378,859,-367,762,-308,750,-247,758,-241     <図1>
11,713,-250,741,-254,731,-246,664,-190,703,-215,546,-124
12,550,-171,461,-98,462,-116,488,-105,422,-100,434,-117
13,428,-76,366,-42,362,-27,404,-109,444,-158,420,-76
14,580,-212,573,-166,474,-184,392,-100,439,-129,400,-40
15,445,-70,240,23,229,54,211,72,115,92,230,-30
16,88,64,188,138,139,58,180,64,136,183,81,190       図1)月刊雑誌「気象」の
17,139,56,178,73,65,106,-11,41,40,-67,37,112          天気図日記からの引用
18,129,47,106,22,105,48,-7,84,90,146,170,3           94年2月12日9時
19,-98,232,-57,90,150,-50,20,49,-57,80,94,-59
20,-23,210,112,60,94,-19,-114,19,185,12,121,-85
21,104,10,56,-40,10,72,-76,56,-56,31,10,106
22,38,13,15,29,30,16,148,-12,-4,-43,161,-68
23,81,-1,186,129,48,41,114,-60,4,64,-74,87
*/

 /*と*/は風データの開始と終わりを示す。第2行目は観測日である。以下に24行にわたって続く
0から23のデータは、観測時の10分平均風データを、北成分、東成分の順に6個交互に並べたもので
ある。

6)風データの画像化
 4)と5)の形式の風データを画像にする3通りのプログラムを開発した。
・4)の形式に基づく「1分平均風データの48時間風画像」(WD48HOUR.BAS)
・5)の形式に基づく「10分平均風データの滋賀県地図入り1日風画像」(WDLOOKER.BAS)
・5)の形式に基づく「月刊風画像」
 (WDMONTH.BAS)上旬、中旬、下旬の3分割
CRTに表示される画像の具体例を写真1),2),3)に示す。図1)には、気象庁監修による
月刊雑誌「気象」による2月12日午前9時の地上天気図を示す。

     <写真3>

写真3)WDMONTH.BASによる2月の月刊風画像

7)観測データのホスト局への送信
 風観測を始めてしばらくの間は、QBOBS.BASで自動観測を行っていたが、92年の9月には
QBWINDUP.BASを作成して、風観測を行いながら指定の時刻になると1日の10分平均データを自動
的に湖鮎ネット(0775-21-5643)へファイル送信できる機能を付加した。当時の湖鮎ネットには風
データ専用のボードが設置してあり、会員の誰もが自由にデータをダウンロードできるようになっ
ていた。湖鮎ネットは大西行雄氏が運用する雪ダスやホタルダスで有名な大津市長等にあるパ
ソコン通信ネットである。
 当時は、観測局から湖鮎ネットに1日に1回自動書き込みができるようにしたものの、一般
ユーザーが希望する時に、観測ステーションからリアルタイムに風データを入手できる体制に
はなっていなかった。

3.BBSの建設

1)BBSの建設がどうして必要であったか
 風観測ステーションからリアルタイムなデータを電話回線を通じて入手できるようにするた
めには、まず電話回線を通じて自由にデータの読み書きができるパソコン通信のホスト局を建
設しなければならなかった。92年の9月より着手し、下旬にKOMATUネットとして開局、
それから1年が経過した時点でほぼこけないネット作りができた。

2)ハードウエア
 ア)パソコン本体:PC9801-VX21
  CRT:SHARP CU-14AD
 イ)モデム:omron MD24FB5V
      FULL DUPLEX MNP5 V.42bis
 ウ)ハードディスク:TEAC HD-101A
      SCSI HARD DISK UNIT
 エ)電話1回線(0775-96-1349)

3)ソフトウエア
 パソコン通信用のBBSプログラムは QuickBasicにより手作りで行っている。開発に当たっ
ては様々な困難に直面したが、なんとか切り抜けることができた。82回のバージョンアップを経て今
日に至っている。

4)KOMATUネットの概要
 ログインすると、KOMATUのロゴが現れる。写真4参照。

<写真4>

写真4)KOMATUネットへログインすると最初に現れる 画面。ここから自由にコマンドが入力できる。
 試験ネットであるので、IDやパスワードの入力は不要である。誰でもアクセス可能で、文書の読み
書きを自由に行うことができる。ボードは現在10個あるが拡張することも可能である。よく利
用されているのはBD0である。写真5に?コマンドで現れる使用コマンド説明画面を示す。

      <写真5>

写真5)KOMATUネット使用可能コマンド一覧。さらに ??コマンドを用いると風コマンドの説明、???コマンド
    を用いるとボード構成と移動の説明が現れる。

4.観測とBBSの共存

1)TSRによる風観測常駐プログラム
 文書を自由に読み書きできるパソコン通信ホスト(BBS)の建設に成功したので、次なる
課題は、このBBSに風観測機能を取り入れることである。いろいろな取り込み方が考えられ
る中で、TSR(Terminate and Stay Resident)による常駐プログラムという方法を採用した。
MASM(マイクロソフト・マクロアセンブラ)によりTSRプログラムを記述した。
 MS-DOSは本来シングルタスクであるが、インターバル・タイマーによるハードウエア割り込みにより疑似マルチタスク的手
法で1秒に1回の観測を実現させた。開発に当たっては、文献8)の第7章「割り込み処理と常
駐型プログラム」を大いに参考にした。

2)風観測常駐プログラム「MEASURE.COM」の概要
 ア)風観測はTSRで行う
 イ)TSRはMASM(マイクロソフト・マクロアセンブラ)で組む
 ウ)観測は98BIOSのインターバル・タイマ割り込みで1秒おきに行う
 エ)風向・風速の測定データは、GRAMのB-PLANEに展開する
 オ)1時間毎にデータの平均操作、ファイル保存を、BBSのフォアグラウンドジョブで行う
 カ)システム・クロックの同時使用はできないので、BBS(フォアグラウンドジョブ)からTSRへ、
  GRAMのワークエリアを通じて1時間に1回「システム時刻の受け渡し」を行う

3)ホストプログラム「BBS.BAS」による風データの処理
 ホスト側プログラムは、メインモジュールと、複数のサブプロシージャとファンクションプロシージャから成り立って
いる。QuickBasicでは、CやPASCALのように自由にユーザー関数が作成でき、しかも変数の通
用範囲が構造化されているので、大きなプログラムを作成するのに適している。BBS.BASは全体
で40KB程度のソースファイルよりなるが、コンパイルして得られるBBS.EXEは約100KB程度で、独立型EXEと
して使用している。BBS.BASは、現在82回のバージョンアップ版(BBS82.BAS)で運用している。
 BBS82.BASは1個のメインモジュールと、以下に示すように34個のサブプロシージャ、それに1個のファンクシ
ョンプロシージャから成っている。WDで始まるのが風関連の作業を行うサブプロシージャである。
<サブプロシージャ>
 BDHATENA()  WD10()    WDHATENA()  WDADD10AV() WDYOMIKOMI() WDYESTERDAY()
 WDTODAY()  WDREALTIME() WDCOOK(X%)  CHKBUF()   NORING()   WRFILE()
 RESETBBS()  DIRECTORY()  DATABASE()  WTIME(SEC!) MAKENDXTTL() CHKWRBS()
 CHKBS()   GETCHAR()   HATENA()   SENDSTRING() SENDFILE()  YOMIKOMI()
 INDEX()   TALK()    CONNECT()  KAKIKOMI()  TITLE()    WAITLOOP()
 CHKCD()   RDFILE()   WDSENDTIME() WDDB()
<ファンクションプロシージャ>
 Yesterday$()

4)風観測とデータの蓄積、電話回線による情報の取り出しと書き込み
 KOMATUネットの風観測システムは、以下のようになっている。
ア)TSRによる1秒毎の割り込みで風観測が行われ、GRAMにデータが展開される。観測に必要なシステム
 時刻は、ホストプログラムよりGRAMを通じて適宜TS Rへ受け渡される。
イ)観測データは1時間に1回の割合で、1分平均風データとして処理されフロッピーディスクに保存される。
ウ)ユーザーが風データを要求した時は、風データ処理コマンドの働きに応じて風データをファイル化し、これ
 を送信する。
エ)午前零時を過ぎるとフロッピーディスク上に保存した前日の1分平均風データファイルから、10分平均風
 データファイルを作成し、WINDコマンドで入れるBD4の風データベースにファイルを自動的にアペンドしてゆく。
 ここには、1991年12月の観測開始以来のデータが保存され、ユーザーは自由にパソコン通信を通じ
 て取り出しができるようになっている。写真6にWINDコマンドで現れる風データベース案内画面を示
 す。

      <写真6>

写真6)KOMATUネット風観測データ・ベース 登録一覧
オ)WDRやWD10コマンドで、リアルタイムに現在の観測データを取り出すことができる。
カ)KOMATUネットは風観測システムであるが、単に観測データを取り出す機能だけではな
 く、情報を書き込める機能も備えている。電子掲示板としての機能を有効に使えば、電子会
 議を通して、様々な話題を共有でき、議論を楽しむことができる。パソコン通信を利用した
 共同研究や、開発が可能になる。KOMATUネット自身はこうした経緯から産まれたシス
 テムである。

5.北小松における風データの分析

 データを取り始めてから2年と4ケ月が経過した。この間に数々の興味ある結果が得られた。
これらの要点をまとめてみると次のようになる。
1)天気の良い日には顕著な「湖陸風」が見られる。この時にははっきりとした「朝凪、夕凪」
 が確認できる。
2)比良下ろしといわれる風は、北西ではなく北北西の風である。比良下ろしは、これまで専門
 家が考えてきた(文献9参照)ような、丹波山地を越えてくる北西の風ではないことが明らか
 にできた。写真1、2はこのことを示す一つの例である。
3)山から降りてくる下ろし風は、琵琶湖方面からの風に比べて、当地では一般に比較的強く吹
 く傾向にある。
4)雨が降る時には、風向が定まらず、バラつくことが多い。
5)冬場に南からやってくる雪にまつわる伝説の風「ヒアラシ」は、浜に立つと比較的強い風で
 あるが、陸に上がるとともに急に弱くなる。何度も観測でとらえることができた]が、観測点
 ではかなり弱い風となって記録されている。ヒアラシと雪の関連は、大きな相関があること
 が実証できた。詳細は別の機会に譲る。

6.琵琶湖ダス計画とのかかわりと今後の展望

 当初は北小松だけで観測をスタートしたが、同じシステムを用いて93年1月からは長浜でも、
伊吹高等学校の川合国夫氏によって観測が行われている。北小松では、「風観測とBBSが共
存する子システム」として稼働しているが、長浜では、2章で述べた通信回線を持たない「風
観測単独システム」での観測となっている。お互いのデータはKOMATUネットのBD2を通じてやりと
りしているが、現段階ではリアルタイムに風情報を長浜観測点から入手することはできない。電話回
線が引ければ一気に解決する問題である。
 滋賀県では、平成8年度中に琵琶湖博物館 (仮称)が草津市の烏丸半島にオープンする予
定になっている。滋賀県広報課より「しがNOW 第24号」が3月9日に出されたが、ここには琵琶
湖博物館の概要がかなり詳しく紹介されている。
 琵琶湖博物館における展示計画の中に、気象情報のリアルタイムな展示コーナーが立案され
ている。これに連動する形で「子システム」を琵琶湖の周りに分散設置し、琵琶湖博物館に観
測点を統合・管理する「親システム」を設置して近江の気象をリアルタイムに描き出し、壮大
なデータベースを築こうという計画になっている。これは琵琶湖ダス計画と名付けられている。
 これらの成果を通して、これまで小気候としてあまり研究されてこなかった琵琶湖の気候が、
地域に分散された参加型データベースを通じて明らかにされていくことが大いに期待される。琵琶
湖博物館をスポンサーにした「琵琶湖ダス」という雄大な計画が、ここで紹介した「子システ
ム」の建設と連動して動いていることは、特筆すべきことである。
 パソコンの性能が急速に向上してからは、ダウンサイジングへの移行がいたるところで行われてい
る。ここで開発した「子システム」は、これまでなら何千万円もしたシステムであろうが、維
持費は別にして、1観測点当たり数十万円規模で設置できることになるから魅力である。これ
まで開発したソフトウエアは未公開の部分が多いが、無償で提供する用意がある。
 さて、このような状況にあるので、琵琶湖博物館準備室の依頼に基づき、今後は琵琶湖の周
りに観測ポイントを設置するに当たっての協力者を確保していく必要がある。個人的には、県下の
小学校、中学校、高等学校の先生宅にお願いできれば良いと考えている次第である。
 琵琶湖ダスが軌道に乗れば、博物館での展示をはじめ、学校の現場でも生きた気象情報の教
材としてデータの活用ができ、また、近江の気象研究にも役立つことになるので、期待は大きい。
このようなシステムが完成すれば、センサーを増やすことで、地域のいろいろな情報をリアルタイム
に展示できる道が残されているので、素晴らしいことだと思う。誠に夢が膨らむ話である。

謝辞

 子システムの開発に当たっては、KOMATUネットや湖鮎ネットでの議論を通じて多大なお世話になっ
た環境総合研究所の大西行雄氏、琵琶湖博物館準備室の嘉田由紀子氏、日本気象協会関西支部
の武田栄夫氏に深く感謝致します。

参考文献

1)滋賀科学;'90 滋賀県高等学校理科教育研究会 P.57~67.
2)雪んこの気象日誌1;1990年6月 琵琶湖地域環境教育研究会
3)風の探偵物語;1990年6月 琵琶湖地域環境教育研究会
4)雪んこの気象日誌2;1991年12月 琵琶湖地域環境教育研究会
5)雪んこの気象日誌3;1993年5月 琵琶湖地域環境教育研究会
6)シロウトサイエンスのサイエンス;第10回琵琶湖研究シンポジウム報告書 1992年3月 滋賀県琵琶湖研究所
7)湖鮎ネット;0775-21-5643(大津市長等)
8)アセンブリ言語;河西朝雄 入門ソフトウエアシリーズ5 ナツメ社
9)滋賀県の気象;彦根地方気象台創立100周年記念 彦根地方気象台編 平成5年10月

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