最前線情報
琵琶湖地域環境教育研究会 松井 一幸 2011.11.27.Updated
<最前線情報 No.1>
2011年11月23日(水)から24日(木)の深夜にかけて、北小松では久しぶりに比較的強い比良オロシが吹きました。
琵琶湖周辺の風の様子は、23日と24日で知ることができます。
北小松(VantagePro2sysytem)と南小松(気象庁アメダス)での風の吹き方はよく似ています。
23日23時頃から吹き出し、24日3時頃までオロシが吹きましたが、いつもの「北西(北北西)」と違って「西より(西北西)」がかった風でした。
気象庁発表の地上天気図の変化から、比良オロシは寒冷前線通過によるものであること、地上等圧線の走向は「北西~南東」になっており、地上の風は西よりになることが分かります。
Meteorological Analyses over East Asiaから取得の高層天気図情報も前後3日間掲載しました。
北小松の毎時最大瞬間風速は、wdhmax2011-11(PDF)を参照してください。
比良オロシが吹いた両日で、気圧・気温・湿度について気象庁の観測値とどのような違いが現れるかについて調べてみました。
1)2011.11.23_24 気圧
2)2011.11.23_24 気温
3)2011.11.23_24 湿度
比良オロシの強風時に、「気圧に凹み」「気温に上昇」「湿度に下降」が顕著に見られました。
気圧の凹みはこれまでにも確認しています。気温の上昇や湿度の下降の他との比較は今回が初めてです。
山岳地帯を越えてきた空気塊が低地に降りる際に断熱変化で起きるフェーンやボラの現象と思われます。
今回のオロシは西成分が強く、小浜や美浜でも同じような変化が起きています。
比良オロシが吹くときは「地上等圧線が45°に走る」と言ってきましたが、今回はこの条件を満たしていません。
比較的短時間のオロシが深夜に吹いたため、比良山頂の風枕の観測はできていませんが、気圧・気温・湿度に顕著な変化が見られました。
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