北湖の上位蜃気楼

デジカメ画像提供&HP作成  琵琶湖地域環境教育研究会

25)2007年3月3日(土) 初めて上位蜃気楼と下位蜃気楼の共存する琵琶湖大橋を観測

今年は「これまでにない暖冬」に象徴される気候が続いている。3月3日(土)は早朝から高温気味で、高気圧が広く西日本上空を覆い、蜃気楼出現が期待される条件となった。午後1時半頃小松浜を訪れると湖面上には既に逆転層の存在があった。小松浜から伊吹山は見えたが、湖面付近の視界が悪く、彦根以北は霞んで対岸は極めて見えにくい状態であった。沖島以南は霞んでいるものの観測には十分な視界で、デジカメ撮影もかろうじてできた。
 この日のビワコダス風画像は、終日極めて弱い湖陸風を示した。小松浜でも湖面は極めて穏やかで無風状態であった。双眼鏡で対岸を見渡すと上位蜃気楼の発生は確認できなかった。琵琶湖大橋に目をやると、視界が悪いが上位・下位が共存する珍しい蜃気楼を初めて観測することができた。
 下位蜃気楼は、湖面付近に反転像ができ琵琶湖大橋がレンズ状になる特徴を持つ。この特徴が下の2・3・4・5の画像にははっきりと現れている。一方上部橋桁には上位蜃気楼の特徴である眉毛状やZ型の変化が現れている。1時間程観測していたが、観測の終盤には下位蜃気楼は消滅し、8に示すようにフーチング(橋脚支持台)が見える「所謂湖面が伸びる」上位蜃気楼の効果が見られた。
 上位と下位が共存する蜃気楼の観測は、私としては今回が初めてである。この蜃気楼の出現には様々な条件が考えられるが、今後の研究課題である。

番号説明をクリックすると画像が現われます 画面の輝度を明るくしてご覧下さい
昼過ぎの湖面上に逆転層の靄の層を確認。
視界が悪いが琵琶湖大橋は上位・下位の蜃気楼が共存
琵琶湖大橋橋桁は眉毛状、湖面付近はレンズ状 -上位・下位の共存-
上位・下位蜃気楼の琵琶湖大橋は複雑な変化を続ける
橋桁の両端付近はZ型に変化
琵琶湖大橋東(左)側湖面付近が複雑に変化
琵琶湖大橋東側の湖面付近が変化を続ける -下位蜃気楼は消滅か?-
湖面上にはフーチング(橋脚支持台)が現れ、上位蜃気楼も終息へ

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